…『斎樹』という『一族』は普通の『一族』ではない…
 …ある者は『木ノ葉の奥』そのものだと言う…
 …それは或る意味では正しい…
 …だが…誤りでもある…

 …『木ノ葉の奥』とその『一族』…
 …『名家』であり『旧家』である…その『一族』は…
 …しかし…単純に『名家・旧家』と一括りに出来る様な『一族』ではなく…
 …だからこそ『真の名家』『隠されし名家』と呼ばれ…

 …そして…

 
『奥』

 …そう呼ばれるのだ…


 
木ノ葉の名家―2― 
 

 …その日ナルトは珍しく『斎樹』の『本家』に泊まった…

 『木ノ葉』で『いつき』の『本家』と言えば、実は二つ存在する…
 …片方は一般に『いつき』家と呼ばれ…認識される家で、この家は、里の割と中心地に存在する。
 …これは『名家』や『旧家』には珍しい事なのだが…
 …『いつき』家は一般にはそれほど『名家』としては認識されていないので、『いつき』の表札を掲げて存在する『仮の本家』は、里の中心地にひっそりと存在する…
 …だから…実際は『いつき』家の『本家』は別に存在する…
 …それが里外れに存在する『いつき』『本家』なのだ…
 …森の近くに在るこちらの『いつき』家『本家』でさえ…
 (…ちなみにこちらには表札は出ていない…)
 …しかし…実は『木ノ葉の奥』の『筆頭分家』でしかなく…
 …『主家』であり『宗家』であり『本家』『当主』でもある『奥継』の為に存在する為、真の意味での『本家』では無く…
 …そういう意味では…実は『本家』は『木ノ葉』には存在しない…
 …その為ナルトが『斎樹』の『本家』と言えば、里外れの森近くにある、『本家』の方であり、この『本家』は、森を背にして、他の『分家』に取り囲まれる様な形で、ある為、実は『そう』と知らなければ、『其処』に『その邸』があるとは気付けない様になっている。

 …そしてこの日ナルトが泊まり、日向ヒアシと会う約束を取り交わしたのも、この『斎樹』家であった…

                                  ―続く―