…ヒナタが…『オレ』を好き?…
 …………………
 …えっとー…
 …間違いでも…同姓同名でもなくて…
 …『オレ』を?…


 
木の葉の名家―9―  


 …あの『オレ』を?… 
 …どういうことだ?…
 …それに…それになんでそれで倒れたんだ?…
 …確かに時々ヒナタは倒れたりしてたけど…
 ……あれ…寝不足とか修行疲れとかじゃなかったのか?…
 …俺はいつもは真面目なヒナタが無理をしてるんだろうって…そう思ってたんだけど…
 …えっとー…
 …もしかして…違うのか?…
 …違うんだよな?…
 …さっきからのヒアシの言動からすると…
 …え?…でも待て…だとすると…
 …ヒナタが倒れたのは、『ヒナタが『オレ』を好き』なのと関係がある?…
 …………
 …そう言えば……ヒナタは『オレ』の目の前でよく倒れて…と言うか…あれ?…もしかして…それ以外ではあんまり倒れてない?
 …ちょっと待て!…落ち着いてよく思い出せ!…護衛と監視であいつらのことは、大抵把握してるんだ…
 …だから…
 ………………あれ?…本気でオレの前以外ではあんまり倒れてないぞ?
 …流石に全然ってわけじゃないけど…でも…それは大抵修行の直後とかで…あれ?…
 …いや…でも…この場には『ドベのうずまき』はいないぞ?
 …どういうことだ??…
 …いったい…どうして?…
 「…ヒアシ…まさかと思うけど…ヒナタは体調が悪かったとか…来る直前に猛特訓をしてたとか…そう言うことは…」
 「…ハア…なにを言い出すかと思えば…そんなわけないのは君も解ってるだろうに…」
 …呆れたように、盛大に溜め息を吐きそうヒアシは言った…
 …否…事実呆れていたのだろう…
 …下忍ならともかく、暗部が…ましてや『奥門・統主』が、目の前の人間の体調不良に気付かないわけがない…
 …そう…俺は解っていて聞いた…
 …だって…
 「…でもおっちゃん…この場には『ドベのうずまき』はいない…だから…ヒナタが『オレ』絡みで倒れたっていうのは…」
 …やっぱり変だ…そう言い掛けた時だった… 
 「……ナルト…くん…」
 …そう…ヒナタの声…
 「…えっ…ヒナタ…なんで…」
 …困惑のあまり…思わず考えが言葉に出る…
 「…フウ…ナルト君…ヒナタはね…知っていたんだよ…」
 …ヒアシが吐息混じりにそう言う…
 「…ヒアシ…それは…どういうことだ…」
 …どういう意味かと…そう問う…
 …何故ヒナタが『知って』いるのかと…
 …まさかヒアシ…事前に話していたのかと…
 …まさかヒナタが『オレを好きだ』と…そう言ったのはその所為かと…
 …そう言った意味も含めての詰問…
 「…ナルト君…君が何を疑っているのかは大体解っている…でもそれは違う…私は誓ってヒナタに何も教えていない」
 …きっぱりとヒアシは俺の目を見て言った。
 ……その様子にも…そしてチャクラにも…一切の乱れは無い。
 …ならば…それは本当なのだろう…

                                            ―続く―

 ―あとがき―
 どうも皆様、お久し振りです、RINです。
 お待たせしてしまいました。
 ……本当は…そろそろ『虎の穴』を更新したいと思っているんですが…
 …上手く書けません…
 …下忍編に突入したので、本編との兼ね合いを考慮に入れて少しストップしてたのですが…
 …なんだか色々あってスランプになってしまいました…
 この『木ノ葉の名家』も予定より進みが遅いですし…
 …『虎の穴』はリクなのに…(シクシク)
 浜口篤子様、本当に申し訳ありません。
 いま暫し!いま暫しお待ち下さい!
 そしてお待ち下さっている、他の全ての読者様にも、併せて深くお詫び申し上げます。

                                  ―それではまたの機会に―RIN―