虚無の欠片 ―外伝2―
―人の子の導き得る総ての魔力持て行使されし黄昏より昏き存在の魔力(ちから)
其を越えし虚無の魔力振るいし者在り
その者 暁と黄昏の輝き内に秘めし 闇と光の狭間たゆたいし 稀なる力持つ存在なり
彼の者 闇よりも昏き存在の魔力(ちから)用い
その魔力(ちから) 一切の生命無き死の入り江を生み出し
時の流れに埋もれし 血の流れより赤き存在の欠片 討ち滅ぼす
されどその強大なる魔力(ちから) その真の恐ろしきは
彼の者のその魔力(ちから)暴走せし時訪れる
彼の魔力(ちから) その制御失われし時
この世に在りし虚無の端末 其れより出しその力 彼の者を核とし 具現し
人の子の制御失いて 解き放たれし彼の力 この地に滅びをもたらさん―
―神託を受けし者達3―
シルフィールはかってある神託を受けた事があった…
その神託の内容を彼女は完全には理解出来なかったが、その神託の一部に、暫く前に聞いた、ある女魔道士にまつわる噂の一つと一致するものがあるという事に気付き…
そしてその後、現れた赤き賢者より、彼女が恐ろしい魔女であり、町を救った勇者をその魔力で虜とし操っていると聞かされ…
しかしその後賢者の言動に彼女は疑問を持ち、けれどその時には全てが遅く…
彼女が賢者より、以前魔女の仲間で…悪しき魂持ちしキメラだと聞かされていた青年と出会い、彼は悪しき者では無いと思い話をし、彼よりその賢者は既に死んでいる筈だと聞かされ、その時の話を聞く内に、彼等3人がその事件の時にある強大な高位魔族と戦い、それを討ち滅ぼしたのが、件の女魔道士であり、彼女がその時用いた呪文は黒魔術最強の攻撃魔法『竜破斬』が通用しない相手をも滅ばす程のものであったと聞いて…以前に受けた神託を思い出し、詳しいその時の内容を聞き出し、そしてその時彼女は、漠然とではあるが、その神託の内容が意味するものを悟り、そして自分の役目は彼の魔道士に伝える事だと判断する。
…恐らくは使い手である彼女自身も正確には理解していないであろう…その呪文の危険性を…
―シルフィールは出会う…良くも悪くも、様々な噂故に高名な…稀代の女魔道士と…
…そして知る…彼女の噂は或る意味で正しく且つ誤っていたのだという事を…
赤き賢者がかって語った様な、そんな恐ろしい魔女などでは無いのだという事を…
そしてまた知る…彼女を深く知る内に…神託の意味するものを…
真っ直ぐに前を見据えて進み、人を惹き付けて止まぬその姿は…栗色の髪と赤い瞳、そして炎の様な彼女の気性とその魔力と合いまって、まるで暁の様であり…
しかし彼女が振るうその魔力は黄昏より昏き闇の魔力(ちから)…
闇の魔力(ちから)を振るい、様々な存在に滅びをもたらしながらも、真っ直ぐに誰よりも正の輝き放ち、光の中を生きるその不思議な魅力を意味する…
正しく…彼女自身を指し示す内容であったのだと思い…内心ホッとする…
…そして彼女に神託の事を告げ…その魔法の危険性を告げる事によって…
…そしてその後彼女が止むを得ずその呪文を使い…それでもどうやら制御に成功した様であり…
また…もう二度とあんな呪文使うつもりは無いとの彼女の言葉を聞き…
シルフィールは…その役目は終わったのだと思っていた…ずっと…
…そう二年の月日を経て…その神託が複数の巫女達に下されたその瞬間まで…
―続く―
―あとがき―
皆様こんばんはRINです、お久し振りです。
少し色々忙しくて…間があいてしまいました…済みませんでした…<(_ _)>
えー今回の『神託を受けし者達』はシルフィール編でした…
冒頭にあるのはシルフィールが昔受けた、リナと『重破斬』にまつわる神託の捏造物です…
えーと…そろそろL様が来るといけないので、RINは逃げようと思います…
―それではまた―RIN―
―一礼し速攻で逃げ出すRIN―
―そしてその直後…
L様:RINあんたよくも前回(神託を〜2)のあとがきにあたしを呼ばなかったわね!!
って…あいつ…逃げたわね…まったく…あいつ一向に心を入れ替えないわね…
よし!今度のおしおきではもうちょっと念入りにしましょv
それではみなさんまた今度ねv
さ〜てvあいつ捜しに行きましょv
―そう言って姿を消すL様―
―暫く経つと黒子姿の部下Sが現れゆっくりと泣きながら幕を引いて、姿を消す…
―幕―
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