―巡り会い―(正月・日記バージョンその2)
注・この話は封神演技の間・長編小説の棚にある現代物小説・巡り会いシリーズのお正月・会話形式の駄文です。
―始祖と怠け仙人
「老子!邑姜は出かけたぞ!おぬしもそろそろ起きて支度をせぬと約束の時間に間に合わぬぞ!」
「…ヌーヌーヌ…」
「老子!起きぬか!」
「……ネムい……ヌーヌーヌー…」
「クゥ〜こ〜や〜つ〜は〜…」
「………」
「…仕方なのぅ…やはりあの手しか無いか…」
「………」
(老子!起きよ!)
(…ネムい…怠けたい…)
(老子…おぬし…いい加減にせぬか…)
(…私はもともと行く気はなかったんだ…)
(それでも邑姜に行くと約束したのはおぬしであろうが!)
(…あれは…あなたが…むりやり…)
(…我は強制はしておらぬ、老君よ娘の望みに応えたはそなた自身であろう)
(…確かにそうだけど…)
(そなたが行かねばあの娘は悲しむであろうな)
(…でも邑姜は別にどうしてもとは言わなかったよ…)
(それはそうであろう、それがあの娘の資質なのだからな、それは誰よりもそなたが知悉しておろう)
(…それは…)
(あの娘は楽しみにしておったぞ)
(…それは…今日が特別な日だからでしょう…)
(口には出さぬが娘は誰よりもそなたに来て貰いたがっておる)
(…でも…私は行ってもどうせ寝てるだけだし…)
(どちらにせよそなたは寝ているつもりであろう、同じ事なら行っても良かろう)
(…同じじゃないよ…行くのら支度とか色々あって面倒なんだもの…)
(…娘が悲しむぞ…)
(…大丈夫だよ…あの子は…)
(折角の晴れの日なのだぞ、祝ってやっても良いのではないか)
(…元々私は気が進まなかったんだ…)
(そう言うでない、あの娘が自ら決めた事だ)
(…解ってるよ…)
(ならばせめて祝ってやるが良い、そなたとて晴れ姿位見たいであろう)
(…私は…)
「…老子よ…わしは支度をしておるから暫し考えるが良い…」
―続く―