―巡り会いシリーズ―
クリスマスの過ごし方―姫発と周公旦の場合その1
「…行って…」
「小兄様!」
「…あん?なんだよ旦?」
「小兄様、今日は早く帰ってきて下さいね」
「…なんで?」
「明日のクリスマスイブと明後日のクリスマスはみんな忙しいでしょう?ですから今晩みんなで食事に行かないかと、父上が…」
「…ああ…そっか……あれ?…でもなんで外食なんだ?」
「…それは…仕事の都合だそうですよ。…ああ…それと…雷が帰ってくるそうですから、そのことも関係しているんじゃないですか?」
「旦!雷が帰ってくんのか!?」
「ええ父上がそう言ってましたよ」
「じゃあ!だいぶ良くなったのか?」
「…さあ?でも父上はこれからは一緒に暮らせると言っていましたから、大丈夫なんじゃないですか?」
「そっかー!よかったなー!そっかー…あれ?…」
「?どうしました?小兄様?」
「…でも…あいつなんの病気で入院してたんだ?…確か面会謝絶とかっつって見舞いにもいけなかっただろ?こんな急に退院なんてできんのか?」
「ああ…それは大丈夫だそうですよ。雷の主治医(センセイ)は師尚父のお知り合いの方ですから、何かあれば師尚父に言えばいいそうですよ」
「…へ?そうなのか?…でもそれならちっとぐらいは会わせてくれてもいいのにな…」
「…なに言ってるんですか…ハア…」
「なんだよ…」
「…会ってましたよ…」
「…へ?」
「…たまに師尚父が…雷の外出許可が下りたからと会わせてくれていましたよ…」
「…おっ!俺知らねえぞっ!」
「…小兄様は普段家にいないから…」
「…ま…前もって言ってくれてれば…俺だってその時くらいはっ!…」
「…前もってなんて無理ですよ…雷の状態と病院の都合…そして師尚父のお時間のある時じゃないと駄目なんですよ、家を一度出ればろくに帰ってこない小兄様にどうやって伝えるんです…」
「…携帯があるだろっ!」
「ろくに出ないじゃないですか…」
「うっ!それは…けどっ…」
「…とにかく…そう言うわけですから、今日は早く帰ってきて下さいね」
「…わかったよ…じゃ!行ってくる!」
「はい、行ってらっしゃい」
「…さあ…それじゃあ私も、支度をして出かけましょうか…」
―続き―
―人物紹介―
雷=姫雷・事情があって姫昌が養子にした子供、一応…姫家の末っ子…と言うのも姫昌の養子は次々増えるから…
原因不明の難病と言うことで、どこかの田舎にあるというサナトリウムに入院している。
(封神での雷震子…姫雷と言うのは雷震子の雷からとった捏造…だって一応舞台現代日本だし…)
発・18才・高校三年受験生…の筈だけど…エスカレーターで大学に行くつもりなので遊んでいる…その為、長期休暇で帰ってきた弟の旦に呆れられている…
旦・16才・某国に留学中の大学院生…長期休暇の間、父や長兄の仕事の手伝いをしようと帰ってきた、真面目な四男…受験生なのに遊び歩いている次兄の様子に呆れている…