―『14番目』とノアの姫―
―プロローグ―
「…『14番目』…v…」
千年公に呼ばれて顔を上げると千年公の眼鏡の奥の瞳がキラリと光り…その瞬間オレの意識は失われた。
―狂気―
―10―
我輩は腕の中でがっくりと力無く頽れる『14番目』を見遣る。
―『この子』の『14番目(ノア)覚醒』の瞬間…いま一歩で『邪魔』が入った…
「…『あの時』の事が…未だに尾を引いているのですネ…v…」
ポツリと呟く。
…しかしどうあっても『この子』と『その兄』…その『絆』は切り離せない。切り離す訳にはいかない『必要不可欠』な『絆(モノ)』…
「…『人間』である『あの兄』は『不要』とは言え…『殺す』訳にもいきませんし…『本当』に『邪魔』でス…v…」
…御陰で『この子』は未だ完全に『覚醒』しない…
「…尤も…だからこそ…これほど容易に術に掛ける事も出来たのですガ…v…」
…まあ…焦ることもありませんカ…v…『この子』はもう…我輩の手の中にいるのですかラ…v…
…ゆっくりと…時間を掛ければ大丈夫でしょウ…v…幸い我輩達には幾らでも『時間』はある…『人間』と違って…v…
「…愛していますよ…我輩の大切な…『兄弟』…v…」
そう言って『14番目』を抱き締めてクスクスと微笑い…そして『14番目』を抱き抱えて部屋を出ていった…
―続く―