―『14番目』とノアの姫― 
              ―プロローグ―
 


 「…………『●●●ッ』!…『●●●ッ』!…」
 ……何処かから…聴こえてくる…微かな…こえ…

 ……だ…れ…?…

 「…いか…な…で…」
 …おぼろな顔の『その人』は…けれど泣いてるような気がした… 


 
―狂気―
     ―9―
 


 「…だ…れ…?…」
 ポツリと『14番目』がそう呟いた。
 「…どうしましたカ…?v…『14番目』v」
 ボーっとした様子で中空を見上げて呟く『14番目』の様子に怪訝に思い我輩はそう問うてみる。
 「あっ…千年公…」
 呼ぶと「ハッ」として我輩の方を見て…それから暫しの沈黙の後…
 「…………あ…その…いま…オレのこと…呼んだ…?…」
 戸惑いがちにそう聞いてくる。
 「ええv『どうしましたカ…?v』と…」
 問われてそう言って頷くと…
 「……そう…」
 それだけ呟いて『14番目』は俯く…
 「……でも…なんか違ったような…」
 そして俯いて…ポツリと小声でそう呟き…
 「…なんか…千年公の…声みたいで…でも…違ったみたいな…」
 そう続ける…
 『14番目』は…独り言のつもりで…だから我輩に聞かせるつもりもなかったのでしょうが…しかし我輩はその『言葉』を聞き咎め…
 ……マズイですネェ…v…
 そう胸中で呟いて…
 「…『14番目』…v…」
 そして『彼』の『名』を呼んだ。

                                       ―続く―