―『14番目』とノアの姫―
―プロローグ―
「…その通りでスヨv『マナ・ウォーカー』v『お前』とこうして会うのは初めてですネェv」
ニィと嫌らしい笑みを浮かべ『千年伯爵』は嗤う…嘲るように…
そして『伯爵』はゆっくりと『マナ』へと歩み寄りその耳元でボソリと『何か』を囁いた…
―狂気―
―8―
「…!…っ…!…」
『伯爵』の囁きに『マナ』は目を大きく見開き…そして唇を噛み締めて『伯爵』を睨む…
「オオ!コワイコワイv」
『伯爵』はそんな『マナ』の様子に戯けてそう言い…
「…そんな表情(かお)をしても無駄ですヨv『この子』はもう『我輩』の『兄弟』でスv」
笑みを浮かべてそう告げると、『マナの弟』の傍まで行き『彼』を包み込むように抱き締めてそう言う…
「ちがっ…!…その子はっ…!…」
『弟』を愛おしむように抱き締める『伯爵』の『姿』に…『マナ』は慌てて声を上げ手を伸ばす。
「…クックックック…v…もう遅いんですヨv『マナ・ウォーカー』v」
そう言うと『弟』を抱き締めた『伯爵』の姿が中に浮き…ゆっくりと遠ざかって行く…
「…待っ…待って…!…行かないでっ…!…返してっ…!…僕の弟をっ…!…」
そう叫んで手を伸ばす…
―…しかし…
「…返してっ…!…行かないでっ…!…いかっ…!…」
『千年伯爵』の姿がフッと掻き消える…『弟』諸共…
…そしてそれに『マナ』は愕然とし目を見開いてガクガクと震え…
「…あ…ああ…あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー!!!」
膝を着き涙を溢れさせ踞り、床を何度も叩き叫びを上げた…
―続く―