―『14番目』とノアの姫― 
              ―プロローグ―
  


 「……どう…した…の…?…その…姿…?…」
 部屋に入ってきた茶色の髪の『少年』が目を見開き、食い入るように『彼』の『姿』を見て愕然と呟く…
 …あと少しでしたノニ…v…
 入室して来たその少年は…『自分が迎えに来た少年』…『一族』に『7000年振り』に『誕生』した『新たな使徒』たる『ノアの使命の受諾者にして継承者』である『メモリーズ・ノア』の『第14使徒』となるべき『彼』の実の兄…けれど『ノア』ではなく『人間』…
 …本来なら『人間』の家族など『邪魔』以外の何者でもありませんガ…v…『この子の兄』である『マナ・ウォーカー』は殺してしまうわけにはいきませン…v…少なくとも今はマダ…v…
 そう考えながら我輩は慌てて『弟』へと駆け寄るその『人間』…『マナ』を見遣る…
 「…大丈夫?なんでこんなっ…!?…」
 心配そうに『彼』に声を掛ける『マナ』…その姿に…
 …まさか『こんな形』で『邪魔』をされるとハ…v…
 そう苦々しく思い『マナ』を睨み付けていると…
 「…お…ま…え…!…だれ…だ…?…」
 『自分』の『存在』に漸く気が付いたのか…震える声で『マナ』はそう問うた…


 
―狂気―
     ―7―
  


 ……『子供』の頃から…『自分』は偶に『不思議』な『夢』を見る事があった……
 …『その夢』の中では…『千年伯爵』と言う…奇妙な異形の姿をした『人物』がよく出てきた…

 ―そして『その夢』の中だけにしかいないと…ずっと思っていた『相手』がいま『目の前』にいて…『弟』の傍に立っていた…

 「…お…ま…え…!…だれ…だ…?…」
 ……ウソだ…ウソだ…コイツは…夢の中だけの存在のはず…
 ガクガクと震えながら僕は目の前の存在を凝視する。
 …だって…コイツは…コイツは……
 …!…いや…それよ…り…なん…で…コイツは…ここに…?…
 …まさ…か…
 そう思った時…『ソイツ』はニィと嫌らしい笑みを浮かべ…
 「…その通りでスヨv『マナ・ウォーカー』v『お前』とこうして会うのは初めてですネェv」
 そう言って僕に向かって近付いて来た…
                                       ―続く―