「…あの時は…本当のことを話す訳にはいかなかったのです…」
 …そう…告げる訳にはいかなかった…『あの時点』では…
 …『アレン』の…『正体』を…

 「…何故我輩の『片割れ』であり『ノア』の『命の中心』たる『アレン』がその身に『イノセンス』を宿しているのか。何故その『イノセンス』が『破壊』されて尚『再生』したのか。いまこそ語りましょう…『ノア』と『イノセンス』の…その『真実(ほんとう)』の『関係』を…」
 そう告げて我輩は彼らを見渡した。
 

 
―『ノア』の『望み』―
              ―15―
 


 「…かって…『世界』に『災厄』が訪れようとしたことがありました…」
 「…災厄?」
 「…ってなに?」
 「『世界の終焉』とどう違うの?」
 我輩の言葉に『子供達』が口々に疑問を漏らす。
 「…『終焉(終わり)』は『創始(始まり)』と対成すもの、1つの『存在』の異なる『顔』です。…ですが…あの時訪れようとした『災厄』は違った。『アレ』の行き着く先は『世界』そのものの『破滅』であり『消滅』。…それは『光』も『闇』も『世界』さえも呑み込もうとする『存在(モノ)』だったのです」
 …そう…『ひかり(アレン)』も『やみ(我輩)』も…

 ―『ノアの子供達』の『疑問』に『千年伯爵』は語る。
 …ただ…淡々と…辛く哀しい『過去』を思い出し、語るために、『感情』を押し殺して。
 
 「…我輩達はその『存在』の『邪悪』な『傲慢』さと『貪欲』さに気付きました。そして『人間達』に『注意』と『警告』を促しました」
 ……ですが…
 「…『アレ』はとても『巧妙』で『人間達』に上手く取り入りその『力』を示し、自らが『光』であり『神』であり。そして『世界』を造り守る存在(モノ)である様に信じ込ませ、我輩達を…そして『神々』を『悪魔』と呼んで貶めたのです。…そしてその結果…『神々』は『力』を失い『世界』は『均衡』を欠きました」
 …その『世界』を守る為に…そして救う為に…
 「…そんな『状況』をなんとかする為に。『イノセンス』と『ダークマター』を…あの二つを我輩達二人は造りました」
 …そう…元々は二人で…否…『ノア』が造った…そう言った方が『正しい』の『かも』知れませんね…
 「…この狂った『世界』の『均衡』を『調整』する為に…」
 …でも…
 …あの時点で…我輩達は…もう『二人』だったから…
 「…そうして我輩達は…まだその時点では『我輩達』を信じてくれていた『人間達』に…『彼ら』を守る為にも『その力』を託し…」
 そこまで言って『千年伯爵』は黙り込む。瞼を閉じ。唇を噛んで…
 
 …………

 暫しの沈黙…
 …実際の『その時間』が…長かったのか…それとも短かったのか…それは『誰』にも解らない。

 「……そして『裏切られた』のですっ!!」
 血を吐く様な思いで『伯爵』はそう叫び、そして押し殺していた『感情』を吐露した。

                                       ―続く―
 
 ―あとがき―
 済みません、済みません、皆様申し訳ありません<(_ _)>
 短期集中連載中だったにも関わらず、またもお待たせしてしまいました。
 ご無沙汰致しました、RINです。
 体調不良で寝込んでおりました。

 さて遂にDグレが赤マルでとはいえ復活しましたね。次回からはSQで連載とのこと嬉しい限りです。
 …いやこのまま赤マル連載になったらどうしようって思ってたので…SQならまだ待てます。ええ。あー良かった。(…まあこの件についてはブログの『突発感想』で思う存分語るつもりですのでこの辺で…)

 …にしてもこの『体調不良』が原因で色々と予定が崩れまくっております。
 …オフでもネットでも…
 
 御陰で『感想』の完成がいつになるのかまったく見通しがついておりません。
 申し訳ないです<(_ _)>

                                  ―それではまたの機会に―RIN―