「…少年さー…物心つく前から人間に『化け物』だの『悪魔』だのと呼ばれ傷つけられていたんだってさ…」
 煙草を取り出し火を付けて口元まで持っていきながらオレはそう言った。
 悲しそうなロードや千年公にばっかり話させるのも酷すぎると思って…
 
 ―…だが…そう言った途端気付く…

 …あれ…?…なんかオレ…睨まれてね…?…

 ―…そう…三人の視線がなんだか鋭いという事に…
 
 「…あっ!さっきも言ったけどオレがこの話聞いたの千年公が少年達を方舟に引き込んだホンット直前だから」

 …だからオレはそう言って付け足した…

 …だってホントのことだし…
 …て言うか…ホントさっきも言ったよな…?…オレ…なんでこんな睨まれてんの…?…ホント…?…

 …大体双子を少年のトコ行かせたのってロードだよな…?…
 …なんでオレに矛先が向いてンの…?…
 …って言うか…よく考えればオレだって被害者だよな…

 ………

 …うん…そうだ…だって何にも知らされず少年を殺しに行ったのはオレなんだし…

 ……あー…なんか…腹立ってきた…
 
 今更ながら…甘党や双子に睨まれて腹が立ってきたオレは…
 「…しかも少年がノアだって聞いたのは双子が少年達のトコに向かってからだったし…」
 そう言ってロードを慰める千年公を睨め付けた。 


 
―『ノア』の『望み』―
              ―14―
  


 「フフvティキポンそう睨まないで下さい」
 …オヤオヤvコワイコワイv…
 「その件に関しては説明したでしょう?」
 睨んでくるティキポンに我輩はにっこりと笑いかけて…
 「…あの時は…本当のことを話す訳にはいかなかったのです…」
 そう我輩は告げた。

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 今回はそれなりに書けたのですが…代わりになんか…本文と冒頭が逆転現象を起こしてます…何故か…(偶になるんですよね…)

 …『アレン』の『過去』について触れ始めてから話を進めるのがなんだか辛いです…
 …『7000年前』について書き始めた途端になんだか随分苦しくなりました…
 …たぶん当初はこのエピソードでは『アレン』の『過去』や『正体』についてはあんまりはっきり書かないつもりだったからでしょう…

 …最初は『悪魔の子』でチラッと書いてだけど詳細については『最終エピソード』まで引っ張るつもりだったんですが…
 …その『最終エピソード』がいつになるか判らない感じになってきたので『本編・最終章』ももう終わりが近いし最初は端折るつもりだった『伯爵のノア一族に対する説明』を書くことに…
 そして結果話が予定以上に長くなってしまいました、申し訳ありません<(_ _)>
 予定が変更になって色々苦しいですが頑張って書きますので、色々未熟な駄文ですが温かい目で見守ってやって下さい。お願いします<(_ _)>

                                  ―それではまたの機会に―RIN―