「……我輩はあなたを慰めたくて『あの姿』に戻ったのに…これでは意味がありませんネ…v…」
 そう言って千年伯爵は自嘲気味に笑う…笑ってそして切なげにその瞳を細めロードを抱き締めその頭を撫でた。
  

 
―『ノア』の『望み』―
              ―17―
  


 「…もう『この世界』はダメだと…『あの時』我輩はそう思いましタ…v…」
 ロードの頭を撫で…そして千年伯爵は話しを戻す。
 「…そう思ったから…だから我輩は『アレン』にも告げましタ…v…『もう諦めよう』ト…v…」
 伯爵は瞳を閉じてそう告げ…
 「…ですが『アレン』は…『彼』は頑として譲りませんでしタ…『まだ早い』ト…『まだやり直せる』ト…」
 ベッドの上で眠る『アレン』を見つめ…
 「…そう言って…その身を犠牲にして『人間達』を庇い続け…『彼ら』を守ろうと…『世界』を守る為に『終焉のシナリオ』を動かし始めた『我輩』と戦い、そして必要な新たな『プログラム』と『力』を『イノセンス』に与え、その為に『失われた力』の『補助』の為に『最後』に残った『力』で『アレン』は『自分自身』の為に、『その力』を『制御』する為に、『左手』のあの『イノセンス』を…『鍵』を造り出したのでス…v…」
 憂い顔でそう続け…

 『…?…『鍵』って…なんの…?…』
 伯爵の言葉に、そうスキンとジャスデビの2人が異口同音に問い…
 「あー…そう言えば言ってたっスね…少年…アレンのイノセンスは『ハート』を見付けて覚醒させる『鍵』だって…」
 そう頬を掻きながらティキがそう言い…
 「そのことっスか?」
 …と続け…
 「ちょっ!ハートの鍵って!オレらんなこと聞いてないぞっ!」
 デビットがティキの言葉に身を乗り出し、ジャスデロとスキンもそれに頷く…
 「エエv話してませんでしたからネv」
 ジャスデビとスキンに千年伯爵はそう頷き…
 「…『アレン』を見付けるまでは何処から話しが漏れるか解りませンvだから極秘にしていましタv」
 そしてそう続け…
 「…けれど…ティキぽんv『いま』我輩が言った『鍵』とはその事ではありませンv」
 そう言って頭を振り…
 「…へ…?…けど…千年公…」
 「…イエv勿論その『意味』も確かに含みますガv…それはあくまで『二次的』な『モノ』…『本来』の『アレ』の『役割』とはまた違うのでスv」
 不思議そうな表情(かお)をする、ティキに伯爵はそう告げ…
 「…そしてその『本来の役割』…それは『ハート』の『覚醒』の為の『鍵』でも、見付け出す為の『鍵』でもありませンv」
 『前言』を翻すような『言葉』を言ってノア達を見遣り…
 「…『アレ』は…我ら皆の『源』たる『ノア』の…その『力』を封じ制御し…『現在のイノセンス』を造った為に『力』を消耗し『存在』を変質させてしまった『アレン』の…『自我』と『力』を『制御』する為の『補助』の為の『モノ』…『イノセンス』でもなく『ダークマター』でもなく…そのどちらでもある…この『2つ』の…言うなれば『原石』とも言うべき『物質』…『ハートの力』の『一欠片』であり『具現化』した『モノ』…そして『アレン』を守る為の『鍵』v『人間の為』にあるのではないので『イノセンス』ではなイv『アレン』が『人間の為』に『その力』を使って初めて、『アレン』と『アレ』は『人間達』が言う所の『イノセンスのハート』となるのでスv」
 そう告げて…
 「…けれど…」と言い置いて…
 「『アレン』は『あなた達』『ノアの子供達』の『父』にして、我輩の『兄弟』そして『AKUMA』の『魔導式ボディ』の『製造』に使ってる『力』の『源』もまた『アレン』v『この子』は『ヤツら』にとっての『ハート』かも知れなイvですが『我ら』の『ハート』でもあるのでス!v」
 強い口調でそう続けた。

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 皆様お久し振りです、ご無沙汰してしまい申し訳ありませんRINですm(_ _)m
 えー…ブログをお読み下さってる方々はもうご存知でしょうが…入院したり他にもまあ色々あって本当に暫くぶりに書き上げることが出来ました…
 …久し振りなので…どこまで書くつもりだったのかとか…記憶を辿りながら頑張って書きました…
 
                                  ―それではまたの機会に―RIN―