―『扉』が開く…ゆっくりと…

 …そうしてその『扉』から出てきたのは…

 …何処かへと姿を消していたエクソシスト達…
 

 
―ノアの王子―
       ―4―



 ―最初は『何か』の罠を疑った…

 …突然姿を消した『彼等』が…突然出現した謎の『扉』から出てきたから…

 …しかし…疑ったのは僅かなこと…

 …少なくとも…彼等が消えたエクソシスト達だと言うことに間違いはない…

 …もっとも…まだ…罠の可能性はあるのだが…

 …それでも彼等は何も知らないと見るべきだろう…

 …ただ…彼等についても二つほど気になることがある…

 …それは…

 …まるで酷く『何か』に脅えるように…不安げな様子でマリアンの弟子にぴったりとくっついているリーの様子…
 …最初はリーの足の状態の所為かと思っていたが…
 …すぐにリーはマリアンの弟子から離れることを酷く嫌がっている、と言うことが彼等の会話から知ることが出来た…
 ユーくんに何かあったのかと聞いてもみたが…
 …どうやらユーくんは一番最初に現れたノアが、私を狙っているノアだったので、そいつと戦う為に一人で残ったのだと言う…
 「だから俺はその後のことは知らないぜ、むしろこっちが聞きたいくらいだ」
 そう言ってユーくんは彼等の方に行く…
 …行ってマリアンの弟子と喧嘩を始めた…
 …それを見て私は思った…
 …珍しいなと…
 …ユーくんがあんなふうにわざわざ喧嘩を売るなんて…
 …ユーくんはきっと彼のことが好きなんだなと思い、私は頬笑ましく思った…

                                            ―続く―