「…急ぎましょう…」
 伯爵が低い声で促し…
 「…うん…」
 ロードはそれに頷き…

 …そして二人は声のする方へと向かった…


 
―もしもあの時…(ケース1)
    『千年伯爵とロードがいたら?』
                 ―2―
  

 
 「千年公!あそこっ!レベル4が…」
 「…ええ…レベル4の様ですね」
 『退魔ノ剣』が刺さったレベル4を見付けロードが指差し、それに伯爵が頷き…
 「どうやらアレン・ウォーカーはレベル4を倒そうとして『あの剣』を使い、諸共に『誰か』を刺したのでしょう…『あれ』は『人間』には効かないということですから安心していたのでしょう」
 そしてそう続けて言うと…
 「ご覧なさいロード」
 そう言って今度は伯爵が指差し…
 「レベル4の向こうに『誰か』いますよ」
 そう促す…
 「…ホントだ…ってねぇ千年公…あれ…」
 伯爵の言葉に頷き掛けて…ロードが『何か』に気が付いた様に目を見開き戸惑いの混じった声を出す…
 「『あの剣』の『力』を受けて相当苦しんでいるようですねェ…可哀想に…仰け反り頭を押さえていて顔はよく見えませんが…ノアであることに違いはありません…早く助けてあげましょう」
 ロードの言葉に伯爵が辛そうな表情でそう言い…ロードは驚きに目を見開き首を左右に振り…
 「…違うよ…千年公…」
 小さな声で…そう呟く…
 「…?…どうかしたのですか?ロード…?…」
 ロードの様子を不審に思った伯爵がそう言い振り返ると…
 「…千年公…こんなことってあるのかな…」
 ロードは震える手で指差しながらそう言い…
 「…本当にどうしたのですか…?…」
 伯爵はロードに再びそう問い掛け…
 「…見間違いかな…『彼』に…ペンタクルがあったの…」
 ロードは戸惑いながらもそう答えた…
 
                                       ―続く―