「…リナ嬢…?…」
不意に立ち止まったリナリーを怪訝に思い、ブックマンが振り返ると、リナリーは暗い表情で俯いて立ち止まっていた。
―『終焉(終わり)』の『言葉』―
―4―
―『一体どうしたのか?』と…そうブックマンもリーバーも否…その場の全員が疑問に思っていると…
「…どうして…」
ポツリとリナリーが呟く。
「…リナ嬢?」
その呟きはごく小さなモノだったから『音』としては誰も聞き取る事は出来なかっただろう(…この場にマリが居れば別だっただろうが…)…だがリナリーの正面にいたブックマンは、その自身が持つ『特殊な目』故に別だった。『音』としては聞き取れずとも『口』の動きで正確に、その『呟き』をブックマンのみが理解し、怪訝な表情でその名を呼ぶ。
「あっ…!…」
ブックマンに名を呼ばれリナリーは顔を上げる。そしてそのブックマンの表情に『また『考え事』を口にしてしまった』と言うことに気付きリナリーは「あっ」と声を上げて…
「…………」
気まずげに黙り込み…
―そして…
「…ノアの…目的はなんなんだろうって…考えてたの…」
ポツリとリナリーがそう呟く。
「…この前は…プラントの『卵』を取り戻しに来たんだって、すぐに予想出来た。…でも…今度は…どうして…この前襲撃があったばかりで…またなんて…今度はどんな理由でって…それが気になって…それで…それに…この前より…AKUMAもノアもたくさんいるって聞いたから…だから…」
それが気になって色々考えてる内に、思わず立ち止まって、そして口に出してしまったのだと…そうリナリーは告げた。
―続く―