「…エムザラv…『彼』は何処ですカ!?v『あなた』のいいえ『我輩達』の『兄』はっ!?v」
 …ノアの『その言葉』と…そしてなにより『彼』に逢えたと言うことで…私は堪えていたものが一気に溢れ…
 「……お兄様…うっ!…ノアッ!あなたっ!お兄様がいないのっ!お兄様がっ!」
 …そう『彼』に駆け寄り…その胸で咽び泣いた…


 
―聖母の目覚め―
        ―4―
  


 「生まれてくる時には確かにいたのにっ!『何か』嫌な気配を感じてっ!それからっ!ずっと忘れてたんだけどっ!でもっ!最近になってお兄様に『何か』あったみたいでっ!でもっ!たぶんそれで私思い出せてっ!ねぇ!ノア!どうしよう!私『夢』を見たのっ!私にそっくりな男の子の『夢』!あれ絶対お兄様なのっ!でもっ!その夢の中でお兄様は顔に傷があって…腕が無くて…他にも色んな所傷だらけで…それでっ!酷く辛そうに苦しそうに泣いてっ!」
 …『彼女』の『言葉』で我輩の推測は確信へと変わった…
 「…エムザラv落ち着いて下さイv」
 …『嫌な気配』というのは恐らく『イノセンス』でしょウv…
 …そう言えば『奇怪な腕を持って生まれたために捨てられた』…とか言ってましたネェv…
 …『何か』と言うのは…もしかしなくてもティキポンがイノセンスを壊してアレン・ウォーカーを殺し損ねた時の事でしょウv…
 …顔に傷のあるそっくりな顔の男の子v…もう間違いまりませンv…
 …なんとまアv…アレン・ウォーカーが『彼』だったとハv…殺し損ねて良かったとしかいえませんネv…
 「…だって!お兄様がっ!この女がっ!お兄様のこと化け物呼ばわりするしっ!きっとこいつがお兄様に『何か』したのよっ!こいつを締め上げればきっと!」
 …怒って…ますネv…
 …恐らく『この女』が『母親』なんでしょうガv…
 「…エムザラv『彼』の居場所は解りましタvだから落ち着いて下さイv」
 そう言って我輩は『彼女』を宥める…
 「…えっ…ホント…?…」
 我輩の言葉に『彼女』が目を見開く…
 そんな『彼女』に我輩は頷き…
 「エエvあなたのお顔と先程のお話で解りましタv我輩『彼』とは何度かお会いしたことがありまスv」
 そう伝えた…

                                       ―続く―