―魔王からの命令…そう聞かされてゼロスは心底戸惑った…
 
 …何故そんな命令が下るのだろうかと…


 
スレイヤーズのお見合い ―ゼロス編・その2―


 「…魔王様からの命令…ですか?」
 ゼロスは戸惑っていた…主の言葉にそう問い返す程度に…
 「…そうだ…突然…何でも…とある事情で…これからは魔族もソフト路線で事を押し進め、紳士的に滅びを撒く必要が出来て…しかも魔族・神族共に弱体化が著しく双方睨み合ってばかりだったから…このあたりで本格的に一時休戦して互いに協力して双方の活性化を計るべく…その第一段階として両陣営の高位の存在同士で取り敢えず見合いでもしてそれぞれ共同活動をするときのパートナーを決めようと言う事に相談して決まったらしい…」
 獣王は表情を微かに曇らせる…説明を受けた時の主の様子は思い出して…
 (…魔王様のあの様子…あれは…ただ事では無かったな…)
 そんな獣王の言動から…ゼロスは今度の事は魔族だけの問題ではないと言う事悟る。
 「魔王様が相談ですか…それで見合いというのは、では僕だけではないと言う事ですね」
 獣王の高位の存在同士で、との言葉からゼロスは自分だけでは無いと判断し確認する。
 「ああ、だが一応高位の存在から順番にと言う事でな、そう言うわけでお前に真っ先に話しが回ってきたと言うわけだ」
 ゼラスは口元に笑みを浮かべ、楽し気な様子でそう言った。
 「え…あのそれでは獣王様は…」
 順番と言うのなら主である獣王達腹心の方が先だろうとゼロスは思う…
 だが獣王の様子を見る限り次はゼロスの番…腹心達は疾うに終わっていると考えるのが妥当な所だ…獣王が…腹心達が…自分の知らない所で…そんな面白そう…もとい厄介な事を何時やったのかと…そしてそれはどういうもので…その結果は一体どうなったのかと…
 「ああ!私達は見合いをすると魔王様方が相談して決められた時にな!すぐにその場に呼ばれてそれぞれ腹心同士で話し合って決めたんだ!幸い人数(?)も丁度あったしな!」
 獣王は何か結構楽しそうに言う。
 「そうなんですか…では僕の場合もやっぱり他の神官達と一緒に話し合いで決めるんですか?でも確か神族は我々に比べ圧倒的に数が少ないですよね?」
 「いや!お前の場合は拒否権も話し合いもしない!いや正確には既に終わっていている!」
 「あの…獣王様それは一体…」
 「実はなゼロス…他の腹心直下の神官・将軍達は竜王直下の神官・巫女達とそれぞれ見合いをすると言う事に決まっているんだが…お前の場合は地竜王の部下との見合いになる筈だったのだが…先方側の候補者全員がどうしても嫌だと言ってな…仕方ないから私と地竜王で、北の魔王様と魔王様の相手の赤竜神の騎士(スーフィード・ナイト)に相談して別に候補者を決定したからお前に拒否権は無い!お前の場合、もう他の候補者というのはいないからな!」
 「え…でも獣王様…元々の候補者の方々が断られたのなら、別の候補者の方もやはり断られるのではないですか?」
 「ああ、もちろんその事も解決済みだ!絶対に断られる事は無いそうだ!」
 獣王はゼロスの問いに対し、にやりと人の悪い(魔族に対して、おかしな表現だが…)笑みを浮かべそう言った。

                             ―続く―
 ―あとがき―
 皆様どうも、いつもお世話になっております、RINですm(_ _)m
 …あう…またもスレイヤーズ物です…封神の連載の方はどうなった!!と言うおしかりの声が聞こえて来る様な気がします…
 申し訳ありませんがもう暫く待って下さい…(土下座)
 予定としては…多分次が封神のリクエスト連載小説のUPで…その次がその他の間か複合企画もしくは隠し部屋の更新があって…多分その次位になると思います…なんとか年内には間に合わせるつもりです…
 それで…多分その次位にスレイヤーズ部屋を図書館内に独立設置するつもりです…
 
 …まだちょっと忙しいので更新の予定は曖昧なのですが…合間を見て少しずつ続きは書いていますので、出来上がり時間のある時にUPしていきたいと思います。

                        ―それではまたの機会に―RIN―