…手紙を封書から出して開き一読するとすぐにリナは嘆息した…
 …嫌な予感があたってしまったと…
 
 …手紙の内容はごく短い物だった…


 
召喚―3―



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       ゼフィール魔道士協会
        特別導師リナ=インバース殿へ

       一時帰還せよ。これは勅命である。
 
       『赤き秩序と月の王女』
              
     PS:リナヘ、読んだらすぐに帰りなさい!
     
                      姉より


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 …その内容は…郷里からの…勅命による帰国を促す内容だった…

 (…何よ…これ…『王女』からって…確かに手紙は『王女』からかもしれないけど…でも…勅命って事は…これ『女王』の命令じゃない!…それに…第一…この『赤き秩序と月の王女』って…この称号は…これって!………PS……あ…ああ…やっぱり……姉ちゃん…姉ちゃんっていつもはもっと…ああでも…いまはそれより…)

 …手紙を読み進める内に…リナは少しずつ震えだし、ゆっくりと顔色が悪くなっていった。
 …そして…郷里の…『王女』からの手紙の最後に追伸として添えられていた一文を読んだ時には完全に蒼白となり…

 …リナはいまやすっかり混乱していた…

                                   ―続く―