「…宜しかったのですか?あれで?」
宿屋の外へ出たリナに、手紙を持ってきた青年はそう問い掛けた…
「……いいも悪いも無いでしょ…姉ちゃんからの命令じゃ、すぐに帰らないわけに行かないじゃない!」
「…ではお戻り頂けるのですね……様…」
にこやかに青年は笑んで言った。
「…まったく…数年振りだけど…あんたは相変わらず嫌味なヤツね…」
リナは青年をきつく睨め上げて言い…
「…まあ良いわ…早く連れて行きなさい…」
…そう続けた…
召喚―4―
…封を開け…手紙を読み進める内に…リナは震えだし…どんどん顔色も悪くなっていった…
…どうしたんだ?
…なんか…リナらしくないような…
「……どうかしたのか?」
そう問い掛けようとした、その時だった…
リナが凄い勢いでオレの方を向き…
…そして言った…
「ゴメン!!ガウリイ!!」
リナがオレに手を合わせ、突然謝ってきた。
「あんたゼフィーリアに行きたいって言ってたのにゴメン。あたし帰らないと行けなくなったの急いで!だからあんたを連れて行ってあげられない!!」
リナのその言葉にオレは何だか解らなくなった…
…リナ…ゴメンってなんでだ?
…なんでお前そんな辛そうな顔してるんだ?
…帰るって何処へだ?お前の故郷へじゃないのか?
…オレは行っちゃいけないのか?
…オレは…
「…詳しいことは何も話せないけど…でも…兎に角一度帰らないと行けなくなったの!!それも出来るだけ急いでっ!!」
…何も聞けないまま…混乱するオレにリナがどんどん捲し立てていく…
「…ゆっくり帰るんなら別に良いんだけど…いまは急いでるからっ!あんたを連れて行ってあげられない!だから…」
…そこまで言うとリナは踵を返しすたすたと歩き出し…
…そして一度立ち止まり振り向いて…
「…だから…またね…」
…そう言った…
…微笑んで…
―続く―