「…リナリーのお見舞いと…それと…」
そこまで言って言い淀んだアレンの様子にコムイは僅かに眉を動かす。
「…リナリー…まだ目を覚まさないんですね…」
次いでアレンが言った言葉は…どう考えても言い淀んだのを誤魔化す為の言葉だった…
―『種』と『ノア』―
―5―
「…それで…アレンくん何の用だい?」
僕の言葉にコムイさんは軽く嘆息を吐いてそう問い掛ける。
「リナリーのお見舞いの為だけで来た訳じゃないんだろう?」
いつになく真剣な眼差しでコムイさんが言う…(…と言っても『任務』の『話し』の時と同じだけど…)
そして僕を気遣ってか…そう言った後にこりと笑う。
そんなコムイさんに…僕は胸中でお礼を言いながら…
「……コムイさん…お願いがあります…」
一度唾を呑み込んで、そしてそう切り出す。
「……なんだい」
ホンの数秒…コムイさんは瞳を閉じ…そして微かに息を吐き…僅かな沈黙の後そう問う…(…尤も…どちらかと言うと…)
……躊躇っている僕を…促してくれてるって言うべきかな…疑問系じゃないし…
そう思いつつ…僕は口を開く…
「…長期の任務があるって…言いましたよね…」
「…うん…詳しい話しはリナリーが目覚めたらって言ったよね…」
目覚めた時にコムイさんから聞いた『長期任務』のことを…その有無を確認するように切り出す僕にコムイさんが頷き…
「…だからアレンくんキミはそれまでゆっくり休んで…」
「…その任務から…僕を外してください…」
コムイさんの言葉を遮り、僕はそう言った…
―続く―
―あとがき―
久方ぶりのノーブル・ノアです。これから暫くはこれを書く予定です。
…にしても…久方ぶりだと言うのに…今回はちょっと短いです、済みません<(_ _)>
取り敢えず…予定としては3月中か4月中にはこの『種』と『ノア』は終わらせるつもりです。
…ええ…スランプとか体調不良とかにさえならなければ…と言う前提の上でですが…(…情けないな〜はっきり断言できないなら書かなきゃ良いのに…)
―それではまたの機会に―RIN―