「14番目っ!おはよぉ〜」
ロードが『俺』に向かってかけてくる。
「おはよ。うげっ……」
ロードは『俺』に抱きつく…というか…タックルをする。
部屋の扉が開き、伯爵も入ってくる。
「やっと起きましたネ、14番目。遅いですヨ」
伯爵はゆっくりと歩いてくる。
「眠い……」
「今日は仕事は無しですけど早寝早起きはきちんとして欲しいデス」
「仕事は無しか。他のやつらは?」
「仕事デス」
「じゃあまたのんびり出来る?」
「エエ」
「じゃあさ、また話を聞きたいなっ。千年公、良いでしょ?」
『俺』は問う。
「勿論」
「でも何で忘れちゃったんだろうねぇ…?」
ロードは呟いた。
「わかんないなぁ……でもあんまり困らないからいいかな。困るのは本当の自分の姿と年齢がわからないことだな」

……記憶がなくて困らないなんて嘘だ。

嘘でもそういわないと、いい加減空っぽな『俺』は壊れてしまいそうだった。