「…へぇーvあいつがアレン・ウォーカーかぁーv」
 …少し前に千年公に聞いた人間…
 …ただ一人…千年公がアクマにし損ねた人間…


 
―運命の出会い―
        ―1―
 


 「…うわー!本当に『闇』が感じられない…」
 …こんなことってあるのかー…
 「…ねぇ?レロ?本当に間違いなくあいつだよね?」
 もう一度レロに確認を取る。
 「間違いないレロ!ロートたま」
 そう言ってレロが頷く。
 …フーン…なるほどねぇ…
 …確か千年公から聞いた話じゃ、あいつの『闇』は人間にしておくのが勿体ないくらい『極上』の『闇』だったらしい…
 …植え付けてすぐ…短い時間で、あっという間に『種』がどんどん『魔力』を発揮したって…
 …それがいまは…『種』どころか『闇』さえまるで感じられない…
 …普通はどんな人間だって『闇』を持っているのに…
 …ましてそれが『種』を植え付けられた人間だと言うのなら…
 …くすり…
 …面白そう…
 …それに…あいつは千年公の話じゃ『あの男』が大切にしていた『子供』だっていうし…
 …アレン・ウォーカー…エクソシストでありながら…ノアの一族に愛し愛された子供…か…
 …僕らの『大切な子』を連れ去った『あの男』が『大切』にしていた…
 …くすくす…
 …アレン・ウォーカー…恨むなら…お前を巻き込んだ『あの男』を恨むんだね…
 …くすくす…
 
                                            ―続く―