「ロード様言われた通りエクソシスト捕まえて来ましたよ〜」
 その言葉に僕は座っていた椅子から立ち上がる。
 「どうするんですか〜?こんなやつら捕まえて?」
 「イノセンスは盗らないんですか?」
 アクマが口々に聞いてくる。
 「ん〜?いまはいいよ〜…それより…」
 近くに行って、もう一度…気を失っているアレン・ウォーカーの顔をようく見る…
 …やっぱり『闇』は感じられない…
 …でも…
 …なんだろう?…この感じ…なんか変な感じがする…
 …でもそれがなんなのか分からない…
 …なんなんだろう…
 

 
―運命の出会い―
        ―2―
 


 …アレン・ウォーカーが目を覚ました…
 …僕のことを信じられないといった顔で見てる…
 …どうやら『アクマの魂』が見えると言うのは本当らしい…
 …そして…もう一つ判ったことがある…
 ―それはアレン・ウォーカーの『闇』が、『種』がしっかりと『存在』すると言うこと。
 僕が『人間』だと知って、どうやら『動揺』したらしい…
 …アレン・ウォーカーが『動揺』したその瞬間から…これまで一欠片も感じなかった『ソレ』の『気配』が少しずつ少しずつ…アレン・ウォーカーから滲み出すのを僕は確かに感じた。
 …どうやったのか知らないけれど…アレン・ウォーカーはこれまでずっと『種』の『魔力』を抑え続けていたらしい…
 …フフ…こいつホントに面白いヤ…
 …いまならわかる…アレン・ウォーカーの『種』はかなりその『闇』に『根』を張り『同化』しつつある…
 …ここまでの状態に進んでいてそれでも千年公が…僕が…たったいままで気付けなかったのは…
 …恐らく…
 …いまでさえアレン・ウォーカーは懸命に『ソレ』をしようとしてる…『闇』を抑え『種』の『魔力』に抗おうと…
 …『種』を植え付けられた『人間』は一度『種』が『魔力』を発揮すると、その『誘惑の声』に抗えない…その筈なのに…
 …それなのに…アレン・ウォーカーはいま必死で抗ってる。
 いまアレン・ウォーカーに聞こえてるのは『種』に残った『残響』だけとはいえ…
 …正直驚いた…こんな状態でまだ正気を保ってる…
 …あっ!とうとう振り切っちゃった…
 …うっわー!こんなことってあるんだー!
 …『闇』に『堕ち』てはいなかったとはいえ…『種』を植え付けられて、その『誘惑』を振り切るなんて…
 …こんなことができるのは…恐らく…『強い』から…
 …そうかだからこそ『闇』がこんなに『強力』なんだ…『心が強い』からこそ…
 …フ〜ン…
 …確かに千年公が魅力を感じるわけだよね。
 …こんな『闇』を見せられたらつつかずにはいられない…
 …ニィ…
 …そう言えば…千年公が言ってたっけ…アレン・ウォーカーはアクマを救うためにエクソシストになったって…
 …じゃあ…もし目の前でアクマが自爆したら?
 …どうなるんだろうね?アレン・ウォーカーは…

                                            ―続く―