アクマを自爆させようとしたら…
…思った通り…否…それ以上の反応をアレン・ウォーカーはした。
…自爆の前に爆発に飛び込んででも破壊しようとし…それが果たせなかったその時…再びアレン・ウォーカーの『闇』が強まる…
…もっともそれは仲間に頬を打たれ、怒鳴られて、すぐに収まったけど…
…でも…まだ完全じゃない…
…ちょっと煽れば…フフ…
…それでも…アレン・ウォーカーは撃たない…『僕』が『人間』だから?
…それとも…
…自信がないの?アレン?
…そうだよね?だっていま撃ったら…『闇』に『堕ち』ちゃうものねぇ?
…アレン…僕…アレンのこと気に入ったよv
…だから…覚悟しといてね?フフv
―運命の出会い―
―3―
「千年公ー!v」
『家』に帰った僕は、千年公の所に行き、千年公に飛び付く。
「どうしましタ?vロード?v随分ご機嫌ですネェ?v」
そう言ってにっこり笑って千年公が僕に聞く。
「んーv千年公v僕ねぇv面白いモノ見付けちゃったーv」
満面の笑顔で僕は言う。
…脳裏に浮かぶのは別れ際に見たアレンの顔…
「面白いモノ…ですカ?v」
「そっ!…千年公がさあ…前に話してくれたでしょ?ほら、アクマの魂が見えるとか言う…」
千年公の言葉に僕はそう言ってアレンの事を切り出す…
…まあ…千年公にはあんまり楽しい話題じゃ無いんだろうけど…
「…アレン・ウォーカーですカ?v」
…口調は変わってない…でも一瞬だけ体がピクリと動いた…
…やっぱりねー…まあ当然かー…
…でも…
「そうvそのアレンv」
…この話を聞いたら、どう思うかな?…
「珍しいですネ?v随分気に入っているようですガ?v」
…不思議そうに千年公が聞く…僕のアレンに対する興味が退屈しのぎを越えていることに気付いて驚いてるみたい…
「ん〜v…だって千年公vあいつ面白いんだよぉ?v」
僕はくすくす笑いながら続ける…
「…だってアレンねぇ…『自分』で『闇』を『種』を抑え込んでるんだもんv」
「ロード…いま…なんて言いましタ?v」
僕の言葉に千年公はピクリと反応し、そう言う。
「くすくす…だからねぇ?千年公v前に千年公が言ってたアレンの『種』が消えてた、『闇』が感じられなかったって言う…『あの話』…アレンはただ単に普段は『闇』を抑えてるだけで…その所為で感じられなかっただけで…本当は消えてなかったんだよv」
ねっ?面白いでしょ?…僕はそう言ってくすくす笑う。
「…消えていなかっタ?v…抑え込んでいル?v」
「そっv信じ難いけど…千年公が言った通りの『極上』の『闇』を内側に抱え込んで…その『闇』に『種』があれだけ『根』を張って、半ば以上『同化』してるのに…千年公が『種』に残した『声』まで聞こえてたみたいだったのに…それでも『正気』を保って抗ってたよ」
…そう…普通はあそこまで『種』が『闇』に『根』を張っているのならとっくに『正気』を無くしてる…
…『理性』を保っていられるわけが無い…
…それが…
「…『種』が残っていテv…しかも『根』を張って半ば以上『同化』していル?v」
…その状態でまだ『光』の側でいられてる…
…それは…
「うんvよっぽど『心』が『強い』んだね〜v僕あんな人間初めて見たよv」
…『心』が『強い』証拠…
…そしてだからこそ『闇』も深い…
「…それは我輩も思ってはいましたが…まさか…そこまで『強い』とハv…」
ニィと千年公が笑った。
―続く―