…アレン・ウォーカーは『心』が『強い』…
 …でも…その『心』の『強さ』ゆえに…
 …『闇』もまた深い…

 「…それは我輩も思ってはいましたが…まさか…そこまで『強い』とハv…」
 ニィと千年公が笑う…


 
―運命の出会い―
        ―4―
 


 「…なるほドv…確かに『それ』は面白いかも知れませんネェ?v」
 千年公の声がとても面白そう…思った通りだ…
 …そう思ったから僕は言った…
 「でしょう?vだからぁv千年公vあいつさぁいっぱいちょっかい出して堕としちゃおうよvいっくらあいつでも『堕ち』ちゃったら『抵抗』できないと思うんだぁv」
 …あの『闇』は絶対放っておくのは勿体ない…
 …『種』だってあるんだからいくらでも付け入る隙はある筈…
 「…それは…確かにそうでスv『闇』に『堕ち』て『自力』で『戻れる』人間なんかいませンv…恐らく三年前にアレン・ウォーカーが『戻れ』たのは、クロス・マリアンの仕業でしょウvあの男なら『堕ち』たばかりの人間なら『引き戻せる』でしょウv…まあその後放っておけばあっさりまた『堕ち』たのでしょうガvあの男はアレン・ウォーカーを放ってはおかなかっタv恐らくはきっちり『ケア』までしたのでしょウv…普段のあの男からは信じ難いことですがネェv」
 …でも…と言い置いて千年公は続ける…
 「…果たしてそこまでして『堕とす』意味があるかと言えば、我輩は無いと思いまスv」
 その言葉に僕は驚く。
 「えー!なんでー?てっきり千年公も賛成してくれると思ったのにー!」
 驚いて不満の声を上げる。
 「…ロードが遊びでちょっかい出すくらいなら構いませンv…でもアレン・ウォーカーはエクソシストでスvしかもイノセンスが寄生していルvとなったら折角『堕と』しても…」
 「…もしかして『咎落ち』ってヤツのことー?」
 そうでスvそうニコリと笑って千年公は頷く。
 「…正直そういう状況にあるのなら、いまだに『咎落ち』していないのが不思議なくらいでスv三年前にしていたって十分おかしくなかっタv…恐らくはそんな状況でも、まだ『光』の側で踏み止まっているからこそなのでしょうが…」
 「じゃっさあ?イノセンス壊しちゃったら?それだったら問題ないでしょ?」
 千年公の言葉に僕がそう言うと…
 「…それでも難しいですネv…アレン・ウォーカーがそこまで『抵抗」できると言うのなら『堕とす』のにはそれなりの『時間』が掛かるでしょウvイノセンスが寄生型である以上壊せばアレン・ウォーカーとてそれほど長くは保ちませンv『堕ち』る前に死んでしまうかも知れませンv…それなら勿体ないですがさっさと殺した方がいい…あの子供に関しては少し厄介な可能性が出てきましたからネェv」
 …そっか…アレンは殺すのか…
 …千年公の言葉に僕は少しだけ残念に思う…
 …あんな人間は初めてだったから…

                                            ―続く―