…アレンを殺すと言う千年公の言葉に…僕は少しだけ残念に思う…
…あんな人間は初めてだったから…
―運命の出会い―
―5―
…でも…
「…厄介な可能性ってなんのこと?千年公?」
「…『方舟』でスv14番がどうやらなにやら細工をしていたらしく江戸から動けなくなっていましタv動かせるのはこの世で一人…14番が『奏者』の『資格』を渡したどこの『誰』なのかも判らない『人間』でス!v」
…千年公の声が微かに低い…
…それにしても『方舟』を…それは確かに千年公の機嫌が悪くなるわけだ…
「…ですから近い内にティキぽんにでも『あの男』の『関係者』を一人残らず殺して貰うつもりでいまスv…いま『魔術』で『あの男』と『関係』のある『人間』の『名前』をリストアップしていまスv…それに…もしかしたら上手くいけば『大事な捜しモノ』が見付かるかも知れませンv」
…『大事な捜しモノ』…千年公のその言葉に僕は目を見開く。
「ねぇ!千年公それって…」
「そうですヨvロードv…一応クロスの関係者も当たってはいますガv…今のところはそれらしい情報はありませんからネv…まあ相手はあのクロス・マリアンですシvなにより20年以上前のことですからネェ?v」
…こっちの方が手っ取り早いでしょウvそう言う千年公の言葉に…
「えー!いいなーティッキー!ねぇ?千年公それ僕じゃ駄目ー?」
僕はそう言う、だって僕アレンと遊びたいし、それになにより…
「ロードのお目当ては『あの子』とアレン・ウォーカーだけでしょウ?v見付かるかどうか怪しい上に、結構な人数がいるんですヨ?vそれにロードには他にやって貰うことがありまスv」
「チェーつまんないのー!」
そう言って僕は頬を膨らまし…
「…それで僕は何をするのー?」
…不機嫌も露わに聞く…
「『方舟』を新たに造りまスv汚れた人間の手に落ちる『舟』など我らの『舟』ではありませンvいま作業していますから、それが終わったらロードは『転送(ダウンロード)』をして下さイv」
…そっか…ダウンロードかー…それなら仕方ないか…
「解ったよー…でも僕早く会いたいから、早く見付けてねー…」
…そう…早く会いたい…僕の……
「勿論でスv正直『あの男』を見付けるのにああまで時間が掛かるとは思っていませんでしタv」
…計算違いでしタv…と千年公は言う…
「…でも…実際どこにいるのかな?千年公…こんなに見付からないなんてちょっと変だよ…だって『ノーブル』は…」
…『ノーブル』は凄く目立つのに…
「…そう…だから我輩もすぐに見付かると思っていたのでスvどれほど注意しても必ず『噂』になりまスv『あの男』が『あの子』を手放していた以上それは尚更でスv」
…僕の言葉に千年公が頷きそう言い…
「…それ程までに『ノーブル』の『特徴』は顕著なのでスv」
…そう絶対『噂』になる筈なんだ…
…だって『ノーブル』は…成長スピードが明らかに『人間』の『ソレ』とは違うんだから…
―終わり―