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噂と事実と真実と―序―
『暗部に正体不明の凄腕の忍がいるらしいって言う噂があるだろ?』
それはカカシが初めて合格を認めた部下達を得て暫く経った頃の事…
…どうしても人手不足だとの事で呼び出されて作戦準備の為に待機中の暗部の詰め所内にある待機所での事だった…
『正体不明の凄腕』その噂を聞いたのはその日が始めてでは無かった…
一種の都市伝説めいた形でいつの間にか暗部や上忍の間で噂となっていた件の忍の噂はあまりにも荒唐無稽であったためカカシは話半分どころか90%つまるところ殆ど信じていなかった…
噂の類に殆ど関心の無いカカシが耳にした内容だけでも、その内容を話半分として信じたとしても…そこから伺い知れる実力は…はっきり言って化け物並…
…そんな鬼の様な実力の持ち主に…あいにくカカシは一人しか心当たりが無かった…
…否一人いたと言い直した方がよいだろう…
…だが…その一人は絶対に有り得ない…
…昔はともかく…現在は…
…そこまで考えてカカシは…不意に己配下の意外性ナンバー1の金髪の下忍の明るい笑顔と悪戯に煌めく碧い瞳を思い出し…そして昼間のドベっぷりを思い出し思わず頭を抱えて嘆息する…
…金の髪も碧い瞳もそっくりだというのに…しかも表情なんかも結構似てるというのに…チャクラの質まで似てるのに…それでも尚かつ…真相を知っている自分でさえも時折本当にあの人の息子だろうか?と疑問に思ってしまう程のおちこぼれぶりを思い…夢と決意だけは立派な部下の将来に不安を抱きつつも…『…それで?』と取り敢えず続きを促してみる…
…そうして帰ってきた意外な言葉にカカシは一瞬だけ目を見開いた…
『…それが今回の作戦指揮官の暗部が実はそいつだって専らの評判だぜ!』
…その言葉を聞いたカカシの感想はと言うと…
(…嘘…だって…その噂って…都市伝説の一種だって…)
…そう思って…以前に聞いた時にはすぐに興味を失ったその噂…
…話半分だけでも…あの人に匹敵する実力の持ち主だって!?
…まさか…そんな…バカな…
…いるわけないよ…ね…そんなやつ…ハハ…
乾いた笑いをカカシは僅かに浮かべていた…
―続く―