「…マナ…マナ…さみしいよ…さみしいよぉ……」
 小さな子供が泣いている一人のピエロに抱き付いて…白い髪の幼い子供が泣いてる…
 「…大丈夫だよアレン…いつか必ずキミの半分を背負ってくれる人が現れるから…」
 そう言ってピエロが優しく幼子をあやす、するとその子は首を激しく振りピエロにしがみつき…
 「嫌だっ!嫌だっ!オレはマナが良い!マナだけいれば他は要らないっ!」
 そう叫んで更に激しくピエロにしがみつく。
 
 ―決して放さぬと…離れぬと云うように…

 「……困ったな…けれどねアレン…僕はもう『現実(ほんとう)』にはキミの傍にいない…そしていつか必ずキミは耐えられなくなる。『独り』でいることに…だって僕が『そう』だったから…」
 少しだけ嬉しそうに微笑みつつも…けれどピエロは困ったように言ってしっかりと自身にしがみつく子供の頭を撫でる。
 「知らないっ!知らないっ!マナがなに言ってんのか分かんないっ!オレは難しいことは分かんないっ!オレはマナがいればいい!そしてマナはいる!いつもオレといる!マナマナマナー!」
 滅茶苦茶に頭を振って叫ぶと子供は「わぁーん!」と大声で泣いた。
 

 
―Walker′s Rabusodi―
                   ―1―
  


 「……マ…ナ…」
 ポツリと呟いて白髪の少年は目を覚ます。
 「…あれ?…なんで…?…」
 少年は自分の頬を涙が伝っていた事に気付くと…
 「……なんか…夢でも見てたのかな…?…(憶えてないけど…)」
 そう呟いて涙を袖で拭い…
 「…けど…夢見て泣くなんて…恥ずかしいなぁー…アハハ…(…もう…子供じゃないのにな…)」
 頬を赤らめて「アハハ」と笑いながら後頭を掻く…そして一頻り笑った後…
 「ティムこのことみんなには絶対内緒だよ」
 そう傍を飛ぶ金色のゴーレムに告げて…
 「…じゃあみんなに見付かる前にさっさと顔洗ってごはん食べに行こうか」
 そう続けてベッドから身を起こした。

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 どうもこんにちはsirk様、お久し振りですRINです。
 長らくお待たせしてしまいましたが、漸く『Walker′s Rabusodi』の第1話が書けました。
 遅くなってしまいましたこと申し訳なく思っております。本当に済みません(…本当になんでこんなに遅れたのか…済みません…)

 そして遅れた割には短い上に、まだ神アレに辿り着く為の神田登場が無く…今回はどう見てもマナアレです(済みません、済みません、多分ですが神田は次回には出てくると思います…ただ…まだ神アレは無理かも知れませんが…)

                             ―それではまたの機会に―RIN―