―昼なお暗い深い森の中三人の忍達がいた。
 …彼等は木ノ葉の暗部装束を纏っていたが、任務中で無いためか、彼等は何故か暗部の面を外していた。


 夜明け前 ―序章・0―


 …三人は二人は男で一人は女…下忍時代に三人一組(スリーマンセル)を組んでかれこれ15年以上の付き合いになる者達だった…

 「…クソッ!…俺はっ!…もう!嫌だっ!こんな里!…」
 「おっおい!突然何を言い出すんだ!ようやく俺達三人暗部に入れたんじゃないか」
 「そうよ突然どうしたの?折角初任務も無事に終わって晴れて正式に暗部として認められたのよ、一体何が気に入らないの?」
 二人の男の内の一人が突然いきり立つ様に言った。
 それを宥める様に後の二人が訝しげな顔をし口々に言う。
 「……おまえら…おまえらは…気付かなかったのか…あれを見なかったのか…」
 呆けた様な様子で男は仲間の二人を見た。
 「…なんだ?何のことだ?何があったって言うんだよ?」
 「…どうしたのよいったい?何を見たって言うのよ?」
 二人はそんな仲間の様子に戸惑いながら心配そうに問い掛ける。
 「……見なかったのなら…おまえらはこれ以上聞かない方が良い…この里にいるつもりならな…俺はこの里を抜けるつもりだ…もう此処にはいられない…」
 蒼白になって苦渋を呑む様な様子でそう言った仲間のその言葉に信じられないと言う顔で二人はその目を見開く。
 「……いったい…なにがあったんだ…里を…抜けるだって…」
 「……言っている意味が解ってるの?里抜けは重罪よ!」
 「解ってるさ!…でも俺は耐えられない!…あんなものを見てしまっては…もう耐えられない!」
 「……なにがあったんだ…話してくれ…俺達仲間だろ?」
 「…そうよ…里抜けだなんて…話してよ!力になるから!…そうじゃないと…」
 「…このままおまえが本当に里抜けすると言うのなら…俺達は…」
 『…暗部としておまえ(あなた)を殺さないといけなくなる…』 
 「…おまえら…」
 …ハアと力無く溜め息を吐いて男は解ったと答え…
 …そして…
 …男は淡々と話し始めた…

                                  ―続く―




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 誤字発見訂正致しました<(_ _)>―5月6日UP時