…なんで?…
 …この手に…掴んだ筈だった…
 …なのに…
 …壊れた?…
 …掴んだ筈なのに…
 …ラビの…イノセンス…
 …助けられた…筈なのに…

 …どう…し…て…?…
 …どうし…て…?…
 …僕は…?……僕が…?…

 …『道化ノ帯(クラウン・ベルト)』を…使って…いれば…

 ―「うっ!わぁー!!!」―

 ―…深い哀しみと絶望…

 ―…それが再び『闇』を喚ぶ…


 
―『憎悪』の『闇』―
          ―序―
 
 

 ―「愚かですねぇクロスv」―
 目の前には伯爵…
 楽しそうに笑ってる…
 …なにが楽しい?…
 ―「二度と出られないとも知らずニ…フフv」―
 …なにが嬉しい?…
 ―「この方舟は最後にエクソシストの血を吸う棺となるのですヨv」―
 …ラビ…チャオジー…クロウリー…神田…
 ―ホッホッホッホッv―
 …みんながっ!……
 …そんなにっ!……

 …そんっ…なにっ…

 ―師匠に向けられる…伯爵の嘲笑…
 …それを聞いている内に…
 …『僕』の『内(なか)』は…
 …『怒り』と『憎しみ』で満ちていた…

 …そして…

 ―ピシ…

 …『僕』は『何か』が軋むような『音』を聴き…

 ―キンッ!

 …『頭』の『内(なか)』が…

 ―ドクンッ!

 …真っ白に染まった…

                                            ―続く―