evoke one's recollections 《one's home》

  …混沌の内より在り…宿命…
   …見出され…定められし…天数…
    …天界の枢機…秩序司りし天帝が下せし命…天命…


        
―姜―2


 草原を旅人らしき少年と少女が数匹の羊を従えて旅していた…
 「…あれは…」
 草原で子供が一人座り込んで、何やらごそごそとしているのを見つけ、少年は呟いた…
 その声が、聞こえたのであろう、子供は顔を上げそちらを見ると、たちまち瞳を輝かせて、少年のいる方へと駆けて行った。
 
 ハアハアと息を切らせて駆けてくる子供の様子に、少女は微笑ましいと笑顔を浮かべて、少年を見る…
 少年は、駆け寄って来ようとする子供を一瞥すると、自分の左側にいる羊に対し屈んで何事かを口にし、その羊の背をポンと撫でる…
 するとその羊はゆっくりとしかし確かに、向かい始めた、子供の許まで…
 子供はそれを見ると、尚嬉しそうに笑んで、手を広げた…

 草原には少年と少女と子供とそして羊が数匹…
 「ねぇねぇー!この子達、お兄さんとお姉さんが世話してるの?」
 子供は羊にもたれかかった状態でそう尋ねた。
 「ええそうよ、この子達は私達が育てている羊なの」
 優しく微笑んで少女がそう答えると、子供は期待に満ち満ちた瞳を向ける。
 「それじゃあね!僕には!僕にも出来るかな!ねぇ!お兄さん!お姉さん!」
 「…出来るよ…君ならきっと、大丈夫…」
 その子供の言葉に、少年は暫し黙考するが、にっこりと笑んでそう告げた。

                   ―続き―
 ―あとがき―
 ようやく第2話です、が今回短いです…
 済みません<(_ _)>
 少年と少女と子供…彼等とタイトルの由来については次回までお待ち下さいm(_ _)m