evoke one's recollections 《one's home》


       …運命の子よ…己が未来を切り開け…
              …汝が内には未だ希望が在り…



                                            ―姜―3


 「ねぇねぇ〜お兄さんとお姉さんは何処にいくの?急いでるの?」
 子供は羊の毛に埋めていた顔を上げてそう二人に問い掛けた。
 「いいえ、特に急いではいないわ」
 少女が優しく笑んで子供にそう答えると、子供は顔を上気させ、そして…
 「ねぇ!それならね!今日は僕の家に泊まらない?それで羊の事とか旅の事とか一杯教えてよ!ねっ!良いでしょ?」
 一息にそう言った。
 そんな…子供の様子に少女は、少し躊躇いがちに少年を振り向く…
 少年はそんな彼女に穏やかに微笑むと、子供に優しく問い掛ける…
 「確かに私達の旅は急ぎでは無い…泊まる処等も無いゆえ、泊めてくれるというのならば私達は嬉しいが…このように突然訪れ、泊めて欲しいなどと言えばやはり迷惑を掛けるのではないか?」
 「そんな事ないよ!だって『人と人は互いに助け合うものだ』って、父上も母上もよく言ってるし、時々旅の人が泊まる事だってあるし、『お客様が来ると賑やかで良い』って言ってたよ!だから!ねっ!泊まっててよ!お兄さん!お姉さん!」
  子供は必死に言い募る、最後には少年と少女の衣の裾を強く引き掴んでいた。
 「兄様……」
 「…それでは取り敢えず君を送ろう…泊まるかどうかは君のご両親に聞いてからにしよう…」
 少年は少女に頷き、子供の頭を撫でながらそう答えた…
 
 ―あとがき―
 嗚呼…また予定が…
 済みません(土下座)前回のあとがきで今回タイトルの由来と少年と少女と子供の事を書くと予告していながらそこまで話しが進みませんでした(T_T)
 さて…次回は子供の両親が出てきます…多分…
 それではまた<(_ _)>