ティムキャンピーを追い掛けて走って来たところ…
 伯爵と戦った城近く…その丘の上に…
 一本の薄紅の花を咲かせる木と…そして…クロス元帥の姿が見え始めた時… 
 「…僕は『ノア』です…『ノアの一族』なんですっ…」
 アレンくんの…泣きそうな叫び声が聞こえた…


 
―11年前の『奇怪』―
              ―13―
 


 「…なら言い直してやろう…お前は…」
 師匠の言葉が…急に途中で止まった…
 …その『言葉』に…感じた『違和感』…
 そのことに…どうしたんだろうと思っていると…複数の…走ってくる足音と気配を感じ…
 「…師匠…みんなが…来るんですね…」
 …だから…止めたんですね…
 …普段は本気で悪魔なのに…ホンット…あなたって人はっ…
 「…有り難うございます…」
 …ポツリとそう言った…その時… 
 「…どういうことだ…モヤシ…」
 …みんなが来て…
 そして神田が僅かに困惑した様子でそう言った… 

                                            ―続く―