…な…に…さ…?…
 …いまのは…?…
 「…アレンが…ノアの王子…?…嘘だろ…?」
 …だって…アレンはハートの鍵だって元帥が…

 …いや…それより…

 「…アレンが…消えた…」
 …どういうことさ…?…


 
―11年前の『奇怪』―
              ―18―
 


 「…アレンが…消えた…うっく…ひっく…アレンが…いっちゃった…うっく…」
 …どうしよう…どうしよう…アレンが行っちゃった…どうしよう…
 「お前らの所為だっ!なんでだよっ!なんで僕からアレンを取るの!?お前らの所為でアレンが消えちゃう!アレンが死んじゃう!カエセヨ!返してよっ!お前らの仲間はいっぱいいるじゃんかっ!返せよ!アレンをっ!僕の『お兄ちゃん』をっ…僕らのお父さんを返してよっ!」
 キッと『あいつら』を睨み付けて僕は叫ぶ…
 …『こいつら』の所為だっ…アレン…帰ってきてくれたのに…起きたらいっぱい遊んでくれるって言ったのに…
 …『こいつら』の所為で…アレンが…僕の『お兄ちゃん』が…
 「僕の『お兄ちゃん』…もう行っちゃった!返してよ…お兄ちゃんが消えちゃう…お父さんは還ってこない…全部お前らの所為だっ!」
 …『お兄ちゃん』が…消えちゃう…
 …それに『お父さん』は…『アレン』と『千年公』が…いないと…還ってこない…
 …ううん…それより…
 …アレン…『眠り』になんて就いたら…消えちゃうよぉ…
 …僕…アレンにもう会えないなんて…ヤダよぉ…
 「千年公だって…本気で『クロノ=クラウン』を復活させるつもりなんてなかったのにっ!」
 …『クロノ=クラウン』が覚醒る前に…千年公が終わらせるつもりだったんだから…
 叫んだ僕の肩に手が置かれ…
 「ロード…その辺りで止めておきなさイ…v…」
 その声に振り返ると其処には…
 「…千年公ぉ…だって…だって…アレンが…」
 悲しげな表情(かお)の千年公が立っていた…

                                            ―続く―

 ―あとがき―
 どうも皆様RINです。
 ブログの方で発表済みの予告編でも解るかと思いますが…『11年前の『奇怪』』そろそろ本当にラストが見えてきました。
 
 今回は冒頭ラビで本文がロード…双方ともに混乱しているので…科白とモノローグばっかりです…
 …今回はワザとこういう風にしました…分かり難いかも知れませんけど…科白だけでは描ききれないロードの混乱っぷりを描きたかったので…(…成功してるかどうかはともかく…)
 今回はかなりキーワードを出しました。
 前回から今回に掛けて…アレンやロードが口走っている『お兄ちゃん』や『お父さん』については…ノアサイドエピソード『『ノア』の『望み』』の方で書くと思います。

 そして漸く本編中に登場しました『クロノ=クラウン』。
 シリーズタイトルでもあるこのキーワード…これについては…今暫くお待ち頂くことになると思います…
 『『ノア』の『望み』』と『悪魔の子』或いはその次くらいのエピソードで…ちょっとは書くかも知れませんけど…

                             ―それではまたの機会に―RIN―