「…どういうことさ…?…リナリー…」
 「…本当に解らないの…私にも…」
 ラビの問いにリナリーは俯いたままそう答え…
 「…でも…」
 リナリーは震える両手を…胸の前で握り締め…
 「…元帥…アレンくんの所に先に行くって…」
 今にも頽れてしまいそうな様子でリナリーは力無く呟く…
 「…場所は…ティムキャンピーが知ってるから…後から来いって…」
 そう言って行ってしまったのだとのリナリーの言葉に…
 「ならとにかく…アレンのトコにオレらも行こう…リナリー…約束してたんだろ、アレンと…」
 そう言ってラビはリナリーに手を差し出した…


 
―11年前の『奇怪』―
              ―6―
 


 「ならとにかく…アレンのトコにオレらも行こう…リナリー…約束してたんだろ、アレンと…」
 「…え…」
 …『約束』って…
 なんのことだろうと思っていると…ラビがクスリと笑い…
 「…ほれ…リナリーアレンに言ってたじゃん『何度だって助けてやる』って」
 …あっ…
 …そうだ…私は…『あの時』…
 …アレンくんに…

 「……クスッ…うん…ありがと…ラビ…そうだね…」
 ラビの言葉に…リナリーはそう言うと…ごしごしと目を擦り…
 「…行こう…アレンくんのところへ…行ってアレンくんを助けよう」
 顔を上げ…そう言った…  
 
                                            ―続く―