―その『時計』は『7千年前』…『14番目』の死と共に壊れた…

 …『7千年』かけて…ゆっくりと治っていった…

 …まともな形を取り戻したのは…ごく最近…それでも未だ微細な傷は残っており…『針』も…ずっと『動く』様子が見られなかった。

 …それが…いま…漸く…動き出した…ゆっくりではあるけれど…確実に…

 ―『それ』は『14番目』の『覚醒』の『兆候』…

 恐らく…『時計』が長らく失われていたその『針』を取り戻した時『転生』していたのだろう…

 …そう…『16年前』の『クリスマス』の夜に…

 その『時計』を切なげに見つめ伯爵は嘆息を吐いた。
 

 
―『12時』の『鐘』がなる『トキ』―
                   ―1―
  


 ―カチッ…カチッ…カチッ…
 『時計』の『針』がゆっくりと…『本来』とは異なるスピードで…気が遠くなる程ゆっくりと…その『秒針』が動く…
 
 「……なんだ…?…この『時計』…なんでこんなゆっくり…」
 アレンは目の前のその大きな『柱時計』を見上げてそう言う。
 …もしかして…壊れてるのかな…?…
 そう胸中で呟いた時…

 《チガウヨ》
 ―!
 何処かから『不思議』な『声』が響く。
 「…っ…誰だっ…!…」
 アレンはキョロキョロと辺りを見回す。
 
 ―しかし『其処』には『誰』もおらず…ただ『闇』が広がるのみ…

 《…モウスグダヨ…モウスグ…》
 『闇』の向こうから響く声…
 …なんなんだっ…!…この『声』はっ…!…
 聞こえる『声』にアレンが眉を顰めつつキョロキョロと辺りを見回し続けていると…

 ―ズキン…
 「…っ…!…」
 不意にアレンは強烈な『痛み』を感じて頭を押さえ…
 …いっ…たい…なん…なんだっ…
 そう急速に薄れていく『意識』で考えながら…ガクリと膝を着いた。

                                       ―続く― 

 ―あとがき―
 どうもRINです。
 秋桜様『12時』の『鐘』がなる『トキ』第1話書き上がりました。

 …ただ…書き上がったのは良いんですが…申し訳ありません<(_ _)>
 未だローアレの気配が…あうあう…
 前回の序文ではロードだけしか出ず…そして今度はアレンだけ…
 …なかなか二人揃っての登場になりません…済みません…

 …えっと…出来るだけ早くローアレになるよう頑張ろうと思います。

                             ―それではまたの機会に―RIN―