「…ついでだアレン…その件が終わったら…そろそろいい頃だろう…『教団』に行って『正式』に『エクソシスト』になってこい」
 口角を上げ思わせ振りに笑う師匠のその言葉に…僕は…『僕』が…
 …『アレン・ウォーカー』が『エクソシスト』になる『時』が来た事を悟った。


 
―『アレン・ウォーカー』の『旅立ち』―
                      ―4―
  


 「解りました…でも師匠この『書類』の決済…そう簡単に終わりそうに無いんですが…」
 師匠の言葉に頷いた後で、僕は遣り掛けの『仕事』を示しそう言い…
 「『誰かさん』がまじめに『仕事』してくれないから…」
 そう溜め息混じりに続けて言う…
 
 ―そう…困ったことに机の上には未決済の『書類』が山程あった…
 『それ』は…通称『イレギュラーズ』と呼ばれる『教団』や『中央庁』とも一線を画する『教団』よりの『特殊部隊』の『元帥』が処理すべき『書類』…
 『アレン』は…その『イレギュラーズ』を統括する『元帥』の地位についていた…

 …だからその山のような『書類』に目を通すのは『自分』の義務…
 …なんだけど…
 そう思いつつ…僕はチラリと師匠の方を見て…
 …ホントだったら『イレギュラー元帥』は師匠がなるべきなんだよなぁ…
 …『教団』への『正式入団』を遅らせ…『番外元帥』として『登録』する為…なんて言ってたけど…
 …実は単に自分がなるのがめんどくさくて、僕に押し付けただけなんじゃあ…
 そう思いつつ嘆息を吐いていると…
 「…フン…仕方ねェから…当分は『元帥代理』の権限で俺が代わりをやっといてやるよ」
 そう言って師匠は懐から『指輪』を取り出し…その指にはめた。

                                  ―続く―