…そうして…だいぶアレンが落ち着いて来た頃…
 《…アレン様…》
 …その『声』がアレンとマナの『耳』に伝わってきた…


 
…ディスティニー…
         ―マテール編―
               ―16―
 


 「…おや…どうやら終わったみたいだね…フフ…」
 …そう言って…僕は…アクマとあの憎ったらしい黒髪のエクソシストの方を『視る』…
 《…終わったようですね…》
 《…はい…アレン様…》
 《…殺してはいないでしょうね?…》
 《…勿論です、このエクソシストは気を失っているだけです。…》
 《…いいでしょう…では僕がそちらに行くまで、その男…見張っていて下さいね…》
 …そう伝えると、僕は『送信』を打ち切る。
 「マナ、終わったみたいだし行ってみよう」
 『送信』を打ち切り、僕はマナを振り返りそう声を掛ける。
 「どうするつもりだい?アレン?」
 「ん?そりゃあ?『助ける』よ?…フフ…あいつ…僕に助けられたって聞いたらどういう反応するかな…フフ…」
 …殺すつもりはないんだろうという…マナの問いに、僕はそう答える…
 …いまからあいつ…神田の反応が楽しみだ…
 …フフフ…

                                            ―続く―