…フフフ…
 …楽しくって堪らないっ!
 
 …さて…

 …でもその前に…
 …レディリナリーとファインダーのトマ…そして『人形』の位置を確認しておかないと…
 …だって…鉢合わせするのはさすがに拙いし…

 …そう考え…『遠見』をする…

 …リナリーとトマは…確かさっき見た時『人形』を捜そうとしていた…
 …もう結構あの場所からは離れてるな…これなら心配いらないか…
 …それじゃあ『人形』は…
 ……『人形』は…ここより更に地下か…広間みたいな場所だな…
 ―…その『目』に映るのは…歌う『少女』の姿…―
 …そうか…あの『女の子』が『人形』か…
 …『造花の子守歌』か…綺麗な歌声だけど…酷く切ない…
 …出来ることなら…あの二人はそっとしておいてあげたい…
 …でも…たぶん『教団』はそれを許さないだろう…
 …アクマと伯爵の方は…『僕』が言えばなんとかなるだろうけれど… 
 

 
…ディスティニー…
         ―マテール編―
               ―17―
 


 …さてと…ここの角を曲がればアクマが神田を見張っている部屋だけど…
 …アクマと話している途中で神田が目を覚ますと都合が悪いですしね…
 《…アクマその男の意識はどうですか?…》
 《…はいまだ目覚める様子はありません…》
 《…そうですか…ならちょっと念のために一芝居してから、こちらに来て下さい…》
 《…御意…》
 僕はアクマに指示をし、そして『送信』切る。
 アクマへの『送信』を切ったあと、僕はマナを振り返り…
 「ねぇマナ…ちょっとお願いしたいことがあるんだけど…」
 …そう言って僕はマナに『お願い』をした…

                                            ―続く―