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―ジリリリリン!その音と共にエクソシストの青年の服から、黒い小さな…一見コウモリの様な形状の『ソレ』が飛び出した。
「トマか、どうした?」
「神田殿!大変ですっ!リナリー殿がっ!」
青年が『ソレ』に声を掛けると、慌てたような男性の声が『ソレ』から発せられた…
…ディスティニー…
―マテール編―
―3―
―神田はリナリーがレベル2一体に遅れを取るとは思っていなかった…
…廃墟とはいえ都市の中を『人形』とその連れの『子供』を連れ…守りながら戦う必要があったがゆえに…(…まだ他にもアクマがいないとは限らないため…)…そしてあのアクマがいたのが広い屋外であったがために…リナリーが向かった…
…彼女は自分よりもエクソシストとして経験があるし…その『力』も知っている…すぐにアクマを倒すだろうと思っていた…
…なのにその彼女がアクマの攻撃を受け…苦戦を強いられ…現在は消息が不明だという…
…やはり能力が不明のレベル2を相手にするのは1人では危険だったのか…と思う…
「…ウッ!倒したと…そう思って一瞬油断した…なにがおこったの…あの攻撃…『アレ』はまるで…」
…アクマの攻撃を受け廃墟の中に落ち全身を打ち付けたリナリーは…痛みに耐えながら…考える…倒したと思った次の瞬間に…上空から自分を襲った…『風』による『攻撃』について…
「亡霊ちゃん…そしてあのエクソシスト…どこに逃げたのかな~?殺すの楽しみ~♪」
…楽しそうな様子でアクマはそう言いながら…マテールの都市をキョロキョロと彷徨く…
「…楽しそうですね…アクマ」
不意に聞こえた涼やかな声…それにアクマは振り返る…
…そこには…
…白い髪に額にペンタクル…リボンタイに黒いコートとズボンの少年が…黒い小さなゴーレムを連れて立っていた…
「…誰だ?おまえ?」
アクマがそう問う…
「…フフ…解りませんか?…まあ解らないようにしてますからね…フフ…」
アレンは笑いながらアクマに言う。
…本来ならアクマがノアである自分が解らない筈がない…だが…アレンは額のペンタクルの魔力で『ソレ』が解らないようにしている…(…その為…間違って攻撃を受けることもあるのだが…)…だから…解らないのは当然なのだ…
「…突然ですがアクマ、あの『人形』とその『イノセンス』諦めてください」
にっこり笑ってアレンは言う…
「なっ!なんだとー!おまえ誰だー!?あいつらの仲間かー!?」
「…『僕』は『彼等』の…『教団』の『仲間』ではありませんよ…ただあの人形にチョット興味があるんです…それとあなたにも…ですからイノセンスを諦め、大人しく僕について来てくれませんか?」
…そう笑いながら問い掛ける…
「ふざけるなっ!誰がっ!もういい!おまえが何者だろうと関係ない!殺してやるっ!」
…目の前の正体不明の相手に対し…妙な畏怖を感じ手を出しかねていたアクマは…しかし不快感が上回り目の前のその『相手』が『誰』なのかも気付かず攻撃をしかけた…
「…フウ…仕方ないですね…少しだけ痛い目を見て貰いますよ」
…そう言って…
『イノセンス段階制限発動―レベル1』
…自身の左手のイノセンスを発動させる…
…アレンは…普段はそのイノセンスの本来の『力』を押さえ…封じている…
…それは…殆どその『力』を必要としない為であり…また万が一『教団関係者』に見咎められても良いようにと考えてのことだった…
…アレンは…師のサポーター達に対してさえ修行途中であるといい、本来の『実力』は見せていない…『教団』よりクロスよりであっても、『教団関係者』であることに違いはない為…本当に知られてマズイことは『彼或いは彼女』達に対しても教えていないのだ…
「おまえ!嘘吐きがっ!エクソシストなんじゃないかっ!殺す!殺す!エクソシスト!殺す!!」
…発動したアレンの『左腕』は白銀に輝く巨大な『腕』となっていた…
…それを見てアクマはアレンを『嘘吐き』と罵り、ますます殺意を漲らせる…
「…ええ…そうですね…でも僕は『教団』の方々とは『本当』に関係ないですよ?それは伯爵も知っています、僕はアレン・ウォーカー…エクソシスト元帥の1人…クロス・マリアン神父の弟子で、偶にエクソシスト擬きなこともしている…師匠の助手です」
…巨大な腕は音速で動きアクマを捕らえる…
…捕らえたアクマににっこりと笑いかけながらアレンは言う…
「…僕と師匠の『研究』にあなたの『能力』はとても役立ちそうなんです…ですから…『破壊』はしません」
…でも…と言い…
「…お仕置きはします」
…そう言ってアクマをその怪力で…たっぷりと痛め付け始めた…
―続く―
―あとがき―
どうもRINです。
今回は色々視点が変わっております…
…まあ…私は結構よくやるんですが…こういうこと…
…まだアレンくんはリナリーや神田とは会っていません…
…多分次回になると思います…
…アレンくんはあの場にアクマしかいないのに自分がノアであることをギリギリまで隠すつもりです…
アクマは捕獲決定済みなので…伯爵にバレる云々を気にしている訳じゃありません…
…じゃあ何故かと言いますと…単にあのアクマに対してむかついてるので、ちょっと痛め付けてやろうと考えてのことです…半分八つ当たりも入ってますが…
…このあたり師匠の影響で『黒さ』が増しているという設定の現れです…
…アレンくんという弟子の存在は、師匠のサポーターやパトロン達は知っています…ですが…アレンくんの詳しい素性『ノア』であるということなどに関しては、その人達も知りません…
アレンくんのイノセンスについて…このシリーズのアレンくんは、この時点で既に『クラウン・クラウン』を臨界突破しています…凄いですね(^_^)v…この話ではヘブラスカはアレンくんと接触していない…そのイノセンスを知らないので…臨界点を突破したことに気付けなかった…と言うことになっています…またアレンくんが気付かれないように特殊な結界のようなモノを使った為でもあります…
アレンくんが『力』を普段『封印』しているのは、万が一『教団』に見付かった時のためです…(…ちなみにレベル1というのは…WJ原作での初期の状態のことです。
…銃刀機型がレベル2…で…『クラウン・クラウン』の初期が3…そして本気の状態が…臨界突破以降の状態です…但し…これにもちょっと特殊設定がつきますが…それはいずれ作中で…いつか書きたいと思います…)
…まだ言い逃れる余地があるからです…その言い逃れについては具体的には次回以降に作中で書きますので、ここではちょっと…暫しお待ち下さい…m(_ _)m
―それではまたの機会に―RIN―