…『もしも』我輩のこの考えが正しけれバv…
―ニィv
「…素晴らしイv…」
…総ての辻褄が合ウv…
…そう…あの『二人』が一体『何を』恐れ…何故クロスの所へなんか行ったのかモv…
―ミッシング・チャイルドの行方―
―3―
「?どうしたのぉー?千年公ぉ?」
我輩の言葉に、不思議そうにロードが問う。
…ロードにも教えてあげないといけませんネv…
…ああ…でも万が一と言うこともありまスv確認はしておかないトv…
「ロードv」
…無造作に拭おうとしたアレン・ウォーカーの『血』を、そっと丁寧にハンカチで拭き取る…
…そしてその『血』を間近にもう一度『視る』…
…ああvこうしてみれば確かに感じまスv…喩え微弱であろうとモv…
「この『血』のデータを徹底的に分析してみて下さイv遺伝子レベルまで徹底的ニv」
…そう徹底的に調べる必要があるかもしれませンv…
…本来ならば有り得ぬ事ですガv…イノセンスが寄生した結果…遺伝子レベルで何らかの変化が起こっていたラ?v髪の色や瞳の色が本来と異なる色に変わっていたのだとしたラ?v…
…そうであるならバv…やらねばならないこともありますからネェ?v…
「?千年公?」
「徹底的に調べて下さイv…もしかしたら少し解り難いかもしれませんが…歴代『ノーブル』の『ソレ』と符号する部分が僅かでもないかデータと照らし合わせてみて下さイv」
「!!千年公!!それって!もしかして見付かったの!?嘘っ!?だって千年公いままで方舟にいたんじゃっ!」
我輩の言葉にロードの表情が変わる…
…当然ですネv…我輩とていまでも信じ難イv…
…だが…それならば納得のいくこともあルv…
「…そうですヨvまったくよくもやってくれたものでスv」
…いくら『ノーブル』の『特徴』を備えていなかったとはいえ…あの男が『子供』を連れていた…その時点で疑うべきだったのでスv…
…こんなことなら『母親』を連れ戻した時同様…『ノーブル』もあの場に連れて行けば良かっタ…v…
…『ノーブル』に動いて貰うのは見付かってかラv…そう考えたのが失敗でしタv…
「…何処にいたの!?ううん『誰』だったの!?なんでこんなに『気配』が薄いの!?千年公!?」
…ロードも気付きましたカv…まあそのつもりで視ればロードならば気付けるでしょウv…
「…思い過ごしである可能性もありまスv…ただ『そうである』とするならば総て納得がいくと言うだけデv…まだ確信があるわけではありませンv…ですからその『血』のデータを徹底的に調べて下さイv…我輩の考えが正しければ、もしかしたら本来の遺伝子データから微妙に変化している可能性がありまスv」
…もっともほぼ決まりでしょうガ…v…
「…思い過ごしって…確かにすっごく解りにくいけど…この『血』からは間違いなく『ノーブル』の『力』を感じるよ?千年公?変化って14番が何かしたってこと?」
「…14番は大した事はしていないでしょウv…原因はもっと別の『モノ』でしょウv」
…そう言って…我輩は…踵を返し歩き出す。
「何処行くのぉ?千年公ぉ?」
…ロードのその問いに我輩は振り返ってにっこりと笑い…
「…『あの子供の母親』の所に行きまスv『子供』が見付かったと言えば何らかの反応を見せるでしょうからネv…」
…大事な『ノーブル』を拷問するわけにもいきませんでしたからネェvこれまで知らぬ存ぜぬを押し通す『あれ』は閉じこめるだけにしておきましたガv…状況が変わりましタv…『もしも』我輩の考える通りなラv…拷問などは不要…『子供』が見付かっタv…ただこの事実だけがあればいイv…
―ニィ…
…なにせ『ノーブル』の『絆』は『特別』ですからネェv
―続く―