「嘘ではありませンv…まさか『ノア』の『子供』が『あの場所』に『いる』とは思いませんでしたガv…今回偶然見付ける事が出来ましタv…運が良かったでスv」
…我輩の言葉に…信じられないと…かって『裏切り者の妻』であった…『子供』の『母』であるその『女』は首を左右に振る…
…恐怖に顔を引きつらせて…
―ミッシング・チャイルドの行方―
―5―
「…何か『お前』は根本的なことを『誤解』していますネv」
…我輩はとても悲しいでスvと芝居がかった態度で言う…
「…ご…誤解?…」
…怪訝そうに眉を顰め…我輩を警戒するその顔を見遣り…
…ああ…確かに似ていると思う…
「…そうでスv…もしや『お前』我輩が『ノーブル』の『子供』に危害を加える等と思っているのでハ?v…もしそうならばそれはとんでもない誤解でスv我輩は如何なる『理由』があろうと『大切』な『ノーブル』の『子供』に危害を加えたりなんかしませンv愚かな行いをした『お前』でさえ、こうやって閉じ込めるに止めているのですヨ?v…どうしてなんの罪もない『子供』を『手』に掛けたりするでしょウ?v…」
…僅かばかり…その目が揺れる…
「…で…でも…あの子は『ノーブル』では…」
…狼狽えながら言う言葉…
「…まさか『それ』本気で言ってはいませんよネ?v」
…我輩はにっこりと笑う…
「…一生に一度…『ノーブル』は『伴侶』たる『奏者』との間に次世代の『ノーブル』を生み出せルv…『ノーブル』と『奏者』の『子供』が『ノーブル』で無いなどと言うことは有り得なイv」
…そう『奏者』だけが『ノーブル』の『伴侶』足りうる…
「…あっ…で…も…」
…震えながら…何事かを言い募ろうとする『女』を無視して…
「…そして生まれた子供の外見的特徴がいかに『ノーブル』からかけ離れていようと…たとえその子の身に有り得ぬ『モノ』があろうとモvその子が『ノーブル』以外であることなど有り得なイv」
―ビクリッ!
…『女』の体が大きく震え…
「…せ…千年公…」
…掠れた声を出し…
「…確かに以前の髪の色とそしていまも瞳の色は違いまスvですが微弱ながらその『血』には、確かに『ノーブル』の『力』の『気配』はありましタv『我輩』と『ロード』でさえその『血』を間近で注意して見なければ解らなかっタv…ですが『母親』である『お前』にそれが解らぬ筈がなイv『ノーブル』の『血』の『絆』は『特別』でスv『本能』で感じ取れルv」
…そう言って我輩は顔を近付け…
「…我輩の顔に『あの子供』の『血』が着きましタv…拭き取ったとはいえそのつもりで見れば解るでしょウ?v」
…その我輩の言葉に…瞠目し食い入るように我輩の顔の『その部分』を見つめ…
…そして…
「…あ…ああ…あああ…」
…ガクガクと震えだす…
「…解りましたカ?v我輩の言葉が本当だトv」
…震えるその『愚かな女』に出来るだけ優しい『声』で語りかける。
―続く―