「…じゃあ『血』のデータを取った理由ってなんなの?」
 ロードのその言葉に我輩は、アレンの『状態』についての『推測』を告げ、その『確認』のためにデータが欲しかったのだと告げて、ロードからアレンの『血』の『分析結果』を受け取った…


 
―ミッシング・チャイルドの行方―
                ―9―
  


 「…デハvアレンを迎えに行く前ニv…」
 ロードから分析結果を受け取った我輩はクッと笑い…
 「…ダウンロードの仕上げをしてしまいましょウv」
 そう言ってニィと笑った…
 「えー!アレン迎えに行かないのぉー!!」
 我輩の言葉にロードが不満の声を上げる…
 …マア…当然でしょうネェv漸く見付かった『ノーブル』が消滅寸前の方舟にいて…しかもそれがロードの好きな相手(アレン)となれバv…本当ならすぐにでも迎えに行きたいのでしょうガv…
 「ねぇー!千年公!アレン方舟にいるんだよぉ!もしかして一緒に消えちゃうかも…」
 「大丈夫ですヨvロードv」
 そう言ってにっこり笑いロードの言葉を遮る…
 「アレンの『力』の『強さ』については話したでしょウ?v…あの『悪魔』にさえ愛されるのでスv方舟の崩壊如きで死んだりしませンv」
 …そう…死んだりはしない『次元の狭間』如きデv
 「…でも…独りだけ生き延びたら混乱しとても傷つくでしょウv…きっと深く傷ついて『心』が『哀しみと絶望の闇』でいっぱいになっているでしょウv」
 …そう独りだけ『次元の狭間』で生き延びればアレンは必ず深く傷つき混乱すルv
 …自分の『正体』に疑問を抱いてくれれば尚のこと都合がイイv
 …そうして深く傷つき『心』が『闇』に堕ちれバv
 「…アレンの『闇』には『種』がありますかラv『心』が『闇』に包まれている『時』なら、喩え『ノア』としての『力』が封じられていてその『自覚』もなくとも『種』さえ介せば『我輩』の『声』がその『魂』に届きまスv」
 …アレンの『心』に与えた『種』の『核』は、アレンの『闇』と結びついて『種』を『形成』しタv
 …ですかラv『種』はアレンの『闇』と『呼応』し『増幅』し『根』を張ルv
 …あれが『闇の種』である以上『種』の『魔力』を使ってアレンに呼び掛けるにはアレンの『心』が『闇』に包まれている必要がありまスv
 …そして『心』が『闇』に包まれている『時』なラv『種』を使えばアレンには『我輩』の『声』と『自身の内の『闇』の声』しか聴こえなくなルv
 …本来の用途とは少し違いますガv今回は特別でスv
 …アレンが覚醒めたら『ノア』にとっての『種』の『使い方』を教えて上げましょウv
 「…普段のアレンは『我輩』を『敵』だと思い、またクロスの入れ知恵で『声』に対しても『警戒』していルv…だから『アレン・ウォーカー』として『形成』された『人格』が強く『意識』を保っている『時』には抗ウv…でも『闇』が強まり『精神』の『均衡』が崩れた『時』は『理性』より『本能』が強くなルv『本能』が強くなるとはつまり『ノーブル』である『アレン自身』が強くなると言うこトv」
 …『ノーブル』は『完全』には堕ちたりしませんが…バランスを崩すことはあルv…そうしてそういう『時』の方が『無意識』の『力』は『発揮』すルv
 …そして『ノーブルとしてのアレン』は『本能』で『我輩』を『味方』だと『理解』していルv
 …だから尚のこと『我輩』の『声』を聴クv… 
 「…アレンはこれまでただ『闇』に堕ち『浸食』されていたのではなイv『種』の『魔力』に冒されるのではなく『種』の『魔力』を『利用』して『ノーブル』が出てこようとしていたのでスv」
 …もっとはっきり聴こうとして『種』の『魔力』を『無意識』の内に強めていタv
 …だからこそ『種』の『魔力』が信じられない程に高まっていタv
 …『種』が信じられない程の『魔力』を発揮して尚芽吹かないのも…たとえ一時『闇』に『堕ち』ようと『戻れる』のも『当然』v…
 …『我々』にとっては『種』はただの『道具』v
 …『ノーブル』ならば『種』に取り込まれたりはしませンv…『ノーブル』の『魂(こころ)』は『人間』とは『根本的』に違ウv
 …そして『アレン』は『無意識』で『種』の『道具』としての『有効活用法』の一つを使おうとしていたのでしょウv
 「…『絶望』した『アレン』なら『ノーブルの無意識』の方が強イv優しく優しく慰めテv『我輩達』を『敵』だなどという『認識』は綺麗に消し去って『人間共』に植え付けられた『光』も消し去って『ノーブルの光』を目覚めさせましょウv」
 …そウv…『ノーブルの光』…『家族』に対する『愛』ヲv

…『あの日』アレンの『内(なか)』に『種』を芽生えさせたのがこんな形で役に立つとハv…まったクv…なにが幸いするか分かりませんネェ?v

                                            ―続く―