「ティキぽんv『アレン・ウォーカー』の特徴は、15前後の少年で白髪、額にペンタクル、左目に『呪い』、そして寄生型のイノセンスでスvとても目立つ容姿をしているのですぐに解りまスv」
 …千年公のその言葉に…
 一瞬…汽車で会った『あの少年』の顔が脳裏を過ぎる…
 …だが…髪の色が…同じと言うだけだ…
 …きっと違う…と思う…
 …世界はそんなに狭くないと…
 
 …それに…『あの少年』は…出来れば殺したく無い…

 …何故か…そう思った…から…


 
ティキ・ミックの疑問―2―


 …もっとも…俺のそんな思いも…すぐに無情にも崩される…

 …スーマンから聞き出した…『アレン・ウォーカー』の位置情報…

 …もうちょっとで大陸を出る所だったらしい『アレン・ウォーカー』…

 …危ない危ない…もうチョットで千年公の言い付けを破るトコだった…
 …そう思いながら…向かった先…
 …『咎落ち』したスーマンを必死で助けようとしているエクソシストの姿に…ついでだからと近寄る…
 …最初は白髪しか見えなかったから老人かと思った…
 …だってこの前殺した元帥も年寄りだったし…
 …まさか…こんな偶然が…あるなんて…思ってなかったから…

 …だから…あの竹林で出会った少年が『あの時の少年』で…
 …しかもよく見たら千年公の言った特徴を全部兼ね揃えていたのに気付いて…驚いた…
 …同時に残念だと思った…心底…

 …なんでよりにもよってこの少年がエクソシストなのかと…

 …しかも…出来れば違っていて欲しいと…(…仮に違っていても『黒の俺』がエクソシストと出会った以上殺さずに済ませる訳にもいかないのだが…)
 …そう思いながら…最後の確認を取る…恐らくここまで揃えば、まず間違いないと解っていながらも…

 …無情にも…俺の願いは崩される…

 『セル・ロロン』の『正解』を示す…その言葉によって…

 …そして…俺は実行に移す…

 …千年公の注意を確実に守って…

 …少年を殺した…

                                            ―続く―