…方舟の中…千年公に引きずられながら考える…

 …江戸城・天守閣の上で…千年公が言った言葉…

 …そして…さっきの…千年公の言葉…

 …その意味する所…

 …『少年』が生きていると言うこと…
 …何故か壊した筈のイノセンスも無事らしいと言うこと…

 …内心…ホッとしている…俺…

 …でも…?…どういうことだ…?…


 
ティキ・ミックの疑問―4―


 …取り敢えず一端『家』に戻った俺達…

 …俺は…それからもずっと考えていた…

 …千年公は…『邪魔された』と膨れていた…だが…気の所為か…?…機嫌はそんなに悪く無いように思う…
 …イヤ…もしかして…むしろ…『何か』を喜んでいる…?…

 …まさか…な…

 …そう…思った時だった…

 「ティキぽんv『アレン』が気になるのですカ?v」
 にっこり笑って問い掛けられる…
 「!………」
 …千年公の言葉に刹那驚き…僅かに迷って…
 …そして…
 「…千年公…?…あの『少年』…いったい『何者』なんですか…?…」
 …結局聞くことにする…いつまでも一人で考えていてもどうにもならないだろうし…
 …それに…千年公とロードは『何か』を知っている…ような気がする…
 「俺は千年公に言われた通りにしましたよ?…まず左手のイノセンスを壊して、それからティーズに心臓に穴を開ける様に言って…なのになんで生きてるんです?…普通人間ならあれは間違いなく死ぬ筈です…」
 …それに…なんで俺は…
 …こんなにそのことに安心してるんだ…?…
 …そう考えて口ごもる…
 「…ティキぽん…その時…どんな気分がしましたカ?v」
 …すると千年公の声に引き戻される…
 「…え?…」
 …どんな気分って…?…
 「…殺したくない…傷つけたくない…そんな風に思ったのでは無いですカ?v」
 「…せ…千年公…?…」
 …なんで…?…まさか…俺が手を抜いたと…
 「…安心しなさイvティキポンが手を抜いたなどとは思っていませんかラv」
 「…?え?じゃあ…」
 …どういう意味だ…?…
 「…フフv…そろそろティキぽんにも『アレン』の『存在(こと)』を教えようかと思ってリストに載せて置いたのでスv…まあ…やつらへのカモフラージュの意味もあったのですガv…フフv…」
 …千年公がにっこり俺に笑って言った後…とても愉しそうに上を見上げて笑った…

                                            ―続く―