「…ティキぽんにアレンを殺してきて貰ったのにハv幾つか意味がありましタv…その内の幾つかは既にその目的を達していまスv」
 「…はあ…そうなんすか…」
 「…エエvですから『アレン』が生きていたからと言ってティキぽんを怒ったりしませンv」
 …千年公の言葉に取り敢えず安心して俺は頷いた…


 
ティキ・ミックの疑問―5―


 「…こうなる事は解っていましタv…心臓に穴を開けた程度ならすぐに『再生・蘇生』すると言うことハv」
 「えっ!?…ちょっ!…千年公…いま…」
 …なんか…とんでもないこと言いませんでした…?…
 …それって…もしかして…殺しても死なないって…言いたいんですか…
 …イヤイヤ…まさか…そんな…有り得ないでしょ…ノアだって…不死身なんかじゃ…
 「ええvつまりそういう事でスv」
 「イヤ?えっと?千年公?意味解りませんって…だって…少年は…エクソシストかも知れませんが、それでも人間でしょ?」
 …一応…
 …そう付け足す様に言葉が漏れる…
 「…『アレン』と『あのイノセンス』は『特別』でスv『強力』な自己再生能力を持っていまスv」
 「…あー…つまり…イノセンスの能力ってことですか?…だからアレを先に壊せと?…イヤでも…千年公…それならあのイノセンス、少年の目の前なんかじゃなく…少年を殺して引き離してからの方が…」
 …良かったんじゃ…そう言い掛けた時…
 「…それをしても結果は同じでスv…或いハ…ティキぽんが怪我をするカ…もしくは…最悪『あのイノセンス』の隠されていた『真の力』の一部が発揮され『あちら側』に『アレン』の『正体』が気付かれる『危険』がありましタv…イノセンスが勝手に動いテ、ティキぽんが怪我するぐらいなラ、まだ良いんですけド…『あちら』に『あの力』の事を気付かれるのはマズイですシv…それニ…一度死ねバ…蘇生には多少時間が掛かりまスv…アレンが『あのこと』を知らない以上、イノセンスの復活もまた同様でスv…すると他のエクソシストと別れてアレンは一人になるでショウ?v…心おきなくヤツラを攻撃出来まスv…時間稼ぎにも丁度良いですシv…アレンがクロスと合流するのを出来れば避けたかったのでスv…あの男は裏切り者から『何を』聞いているか解りませんシ…3年間アレンと共にいましタv…我輩が考えている以上に気付かれている『可能性』もありますシvそうでなくとモ、あの男ハアレンに親過ぎる位置にいまスv…それニv…一度死ねバ…もしかしたラ…『死の眠り』の中で…思い出すかも知れなイv…そう思ったのですガ…それは無理だった様でスv…ハア…残念デスv…死んで…自身とイノセンスが再生・蘇生しタv…これで多少は『自覚』し始めた様ですガv…どうやら…まだ…掛かるようでスv本当にあの男は余計なことをしてくれたものデスv……」
 …あ…あの?…千年公?…お話がゼンゼン解らないンすけど?どういうことっすか?
 …俺…怪我してもいいって…イヤ…それより…『あのイノセンス』の『真の力』ってなんですか?『正体』って?俺それが知りたいんですけど?もっとはっきり解りやすく言ってくれません?…それに少年がいると攻撃するのになんか不都合があるんスか?…裏切り者とかクロスとか…なんです?そんな重要なことがあるんスか?…それに…
 …つらつらと…俺は半ば混乱しながら…覚えた疑問を口にした…

                                            ―続く―

 ―あとがき―
 皆様どうも、RINです。
 この外伝エピソード『ティキ・ミックの疑問』は実は一気に書き上がっておりました。
 …それを何故短期集中連載とはいえ小出しでのUPにしたのか…
 理由は二つあります、一つは単純に誤字の修正…と言っても…毎回見直してる割には後からまた見つけたりしてるんですが…(…しょうがないですね…はあ…)
 そしてもう一つ…実はこちらが本命の理由で…まあこの第5話をお読み頂けたなら既にお判りでしょうが、この話以降から伯爵が『アレン』の『過去』や『イノセンス』について色々ティキにバラしはじめるからです…
 …最初はこの話…ずっとUPせずにおいて、本編エピソードで書いてからにしようかとも思ったんですが…
 …本編のバラシネタ…から分岐エピソードあたりの話しを考えていた丁度その時に…WJ本誌でのエピソードがどうにも気になって…ちょっとこのあたり読んでからでも良いかーv…途中から話しがWJから離れるって言ってもまだそこまで書けてないし…読んでからでも…いいかなー?などと考えていると…なんと休載…アウ…どうしよう…取り敢えず…書きかけの『岐路への道程』を書きながら考えよう…ということになり、その際に…やっぱりUPしようかなーという風に気が変わって…UPを決めました…(…当分本編では書けそうに無いですし…)
 …こんな早々に謎解きが入るのは珍しいので…困惑しています…RINは伏線張っての小出しが好きなので…
 …でも…まあ…まだまだ…本当の意味での謎解きは当分先ですが…
 …そしてその困惑の結果が…この短期集中連載ということになりました…
 (…もっとも…うちのサイトでの連載というのは不定期掲載のことなんですけどね…ハハ…済みません…頑張って書きたいと思います…)

 …外伝エピソードは他にもいくつか予定しています…
 …チョコチョコと書いているので…その内UPするでしょう…

                                  ―それではまたの機会に―RIN―