「…ネアッ…!…ネアッ…!…」
 僕の名を叫ぶように呼び兄が部屋へと駆け込んできた。


 
―Walker― 
         ―2―
 


 「……どうしたんだ…?…マナ…兄さん…何があった…?…」
 弟の部屋に駆け込み、その勢いで転ぶように抱き付いた。
 
 「…○○○ッ…!…○○○ッ…!…」
 抱き付いて弟の名を何度も呼んだ。

 「……?…本当に…どうしたんだ?兄さん。泣いてんのか…?…」
 困ったように…弟が言う…僕の頭を撫でながら…

 「…なあ…もしかして…誰かに苛められたのか…?…もしそうなら…」
 「…!…違うっ…!…そんなんじゃ…」
 
 ―『もしそうなら』…
 …そう言った弟の言葉にどこか物騒な響きが宿っているような気がして咄嗟に叫んだ。

 ―『弟』に『そんなこと』をさせる訳にいかなかったから…

                                       ―続く―