…少女が泣いている…声を殺して…


 ―…あたしは神にも魔にも付かない…―
 ―…人界で人として生きる…―

 ―…これからあたしはあたしのみの意志の基に生きる…―

 ―…光と闇とその間の存在(モノ)として…―

 …それは…

 ―…だから…―

 …決別の…

 ―…さよなら…―

 …言葉…
 
 ―…スィーフィード…シャブラニグドゥ…そして…モーリアン…―

 …動き始める…ラグナロク…

 「…さよなら…」
 自分自身が呟いたその言葉で目が覚めた…其程大きな声ではなかったのに…
 気が付けば…知らぬ内に…頬を濡らす何かがあった…
 
 「…あれ?…どうして…あたし…泣いて…」
 (…どうして…こんな夢を…もう…終わった事なのに…) 

 …あたし達の…ローカス…  
 
 
 
赤き存在(もの)達のローカス―3―


 ファーア
 「どうしたんだ?リナ?」
 大きな欠伸をしながら階段を降りていたあたしを見て、ガウリイが不思議そうに聞いてきた。
 「…うーん…なんかここ最近夢見が悪くって…寝不足気味みたいなのよね…」
 あたしは食堂のイスを引きながらそう答え…そして…
 「あっ!おばちゃーん!このスペシャルモーニングセットA〜C(食後のデザート付き=主に女性向け)6人前ね!」
 宿屋のおばちゃんに手を上げ、メニューを指さして、大きな声でそう言う!
 「あっ!ずるいぞ!リナ!オレも!ウルトラモーニングセットA〜C(ライスとサラダ大盛り&おかわりOK=主に男性向け)3人前!」
 テーブルに着くなりメニューを手に取り、即座に注文するあたしの持つメニューを横からのぞき見てガウリイが注文し…そして…
 「それで夢見が悪いって、どんな感じなんだ?」
 ガウリイもまたテーブルに着きながらそう言う…
 「おおぅ!ガウリイが3歩以上歩いたのにまだ覚えてるなんてっ!」
 あたしはガウリイの言葉に思わずそう言い…
 「お前なあ…」
 ガウリイはあたしの言葉に…呆れたような…困ったような…そんな様子で…ただそれだけ言う…
 …ガウリイの優しい目が…なんだか最近…妙に…くすぐったくて…気まずい感じがして…
 「…あはは…つい…」
 ふざけた感じの…作り笑いを浮かべ…後ろ頭を掻きながらそう言った…

                             ―続く―

 ―あとがき―
 皆様いつもお読み下さりどうも有り難うございます、RINですm(_ _)m
 今回はなんとか予告通り…リナ視点で…冒頭部は(内容的には)前回の本文部分の続きになります。
 …皆様既にバレバレだろう某神官の登場については…もう暫く…多分次回以降になると思います…

 ―それではまたの機会に―RIN―