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 僕は左手を高く掲げ口を開く…
 「…イノセンス…いや…『神の王冠(クラウン)』よ…」
 そう僕が呼び掛けると、僕の手の甲に宿っていた『十字架』が黒白の輝きを放ち始め、ゆっくりと僕の手から分離し、僕の腕は普通の腕へと変わり…
 …そして…
 …僕の手から分離した『十字架』は…いや…かって『十字架』の形を取って僕の左手に宿っていた『それ』は…
 …ゆっくりと僕の手元へと降りてくる…
 
 …黒白に輝く『王冠(クラウン)』となって…
  

 
―悪魔の子―
        ―第1章―
              ―2―
  


 …7千年前…『何が』あったのか…『それ』は思い出せない…
 …でも…『僕』自身の事は…
 「…ホントは…もう殆ど…思い出してるんだよな…」
 …『僕』が一体『何者』なのか…
 …それは千年公が必死に隠し通そうとした『真実』…
 「…『ノアの王子(ぼく)』と『ノア』と『ハート』と…そして『千年伯爵』の『関係(こと)』…」
 …『ノアの王子』なんて『存在』をでっち上げてまで『守ろう』と…『守って』くれようとしてくれた…
 「…『彼』は本当は…とても優しいんだ…」
 …ズルイ『僕』とは違って…
 …そう…嫌なことを『彼』に全部押し付けて『僕』は逃げ出した…
 …そんな『僕』が…この上『彼』をどうして否定できる?…
 …『彼』のいまの『あの姿』は…総て『僕』の…
 …『ノア』の『弱さ』の顕れなのに…

 「…だからごめん…みんな…」
 …みんなのことは大好きだけど…
 「…それでも僕は…」
 …キミ達と共には戦えない…

                                  ―続く―