…楽しかった…教団での日々…

 …その日々は愛しくて…あの人達は大切で…
 …辛いことはたくさんあった…
 …悲しいことも…苦しいことも…

 …でも『彼ら』が…『笑顔』で『おかえり』って言ってくれた…
 …そして『養父(マナ)』に僕は誓った…
 …だから…『いま』は平気だと…『仲間(みんな)』と一緒ならどんなことだって耐えられると…そう思っていた…

 …でも…
 
 …でも…

 …僕にはもう『教団(みんな)』の『家族』でいる『資格』は無い…
 …いや…きっともとから無かったんだ…
 …『教団(みんな)』にあんな優しくして貰える…そんな『資格』…

 …だって…『僕』は…『僕』こそが…

 …『千年伯爵(クロノ=クラウン)』なんだから…


 
―悪魔の子―
        ―第1章―
              ―3―
 


 「…『僕』は…『弱い』ね…『王冠(クラウン)』…」
 …『本当』は…『世界』が『壊れて』しまう前に…『その原因』を『取り除く』のが…『僕』の…『管理者』の『仕事』なのに…
 …きっとこんな風に『変わり果てた僕』の『コト』を…『神(クラウン)』は『不快』に思っている…
 …『役割』を全うする『コト』ができなくなった『道化』のコトを…

 「…ハハ…ハ…なにが『白い道化』だっ…本当の『愚かな道化』はっ…」
 …『本来ならば』…『道化(クラウン)』である筈の…
 「…『僕』の方じゃないかっ…!…」
 …『感情』で動いてばかりの『僕』の方…

                                  ―続く―